2013 Fiscal Year Annual Research Report
世界最大直接数値計算に基づく高プラントル流体MHD乱流熱伝達データベースの構築
Project/Area Number |
24760161
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
山本 義暢 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (40377809)
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Keywords | MHD / 高プラントル流体 / 熱伝達 / DNS |
Research Abstract |
核融合炉デザイン条件下(高レイノルズ数,高ハルトマン数,高プラントル数)を対象としたMHD乱流熱伝達の高精度DNSデータベースを構築することを目的として,現在までにベクトル並列計算機及びスカラ並列計算機上での,高速大規模数値計算コード開発に成功した.具体的には,最速で実行演算速度21TFLOPSの高速演算が可能となった.開発コードを用いて,実際の核融合炉ブランケットデザイン条件下でのDNSデータベースの構築に成功し,その精度を検証した.開発したDNSコードを用いて、核融合炉デザイン条件下(高レイノルズ数,高ハルトマン数,高プラントル数)を対象としたMHD乱流熱伝達の高精度DNSデータベースを構築した。得られたデータベースを用いて、磁場下の乱流輸送現象及び乱流熱伝達機構を解析するとともに、MHD乱流モデルの評価検討を行った。 その結果、高プラントル数流体においては、内層において特徴的な温度境界層が形成されるとともに、その定量的性質をDNSデータベースにより示した。 MHD乱流モデルにおいては、乱流エネルギを過小評価することが判明した。この原因は渦拡散係数及び乱流拡散項の精度に起因していることが分かった。 また熱伝達予測においては、速度場における乱流エネルギー分布の定量的再現性が不可欠であり、渦拡散係数、乱流拡散項の修正が必要であると結論付けられた。 一方、温度場の予測においては、速度場の乱流諸量が定量的に再現できた場合、温度場0方程式モデル(乱流プラントル数)による予測が可能であることが示された。さらにその乱流プラントル数の最適値は、0.93程度であることをDNSデータベースにより明らかにした。 以上の成果により、核融合炉ブランケットの熱設計に必要不可欠なMHD乱流モデルの問題点を抽出するとともに、その原因を特定することができた。今後は実際の修正方法を検討するとともに、高精度MHD乱流モデルの開発に着手する予定である。
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Research Products
(15 results)