2012 Fiscal Year Research-status Report
気体燃料噴流中における液体燃料の着火特性に関する可視化研究
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24760170
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鶴 大輔 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (10614620)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ディーゼル噴霧 / エマルション燃料 |
Research Abstract |
本研究は,気体燃料噴流中における液体燃料の着火・燃焼状態を可視化するために,噴霧火炎中の固体および液相部の明確化するレーザー背景散乱光撮影と噴霧火炎とその周辺空気の密度変化を可視化するシャドウグラフ撮影の同時撮影を行う光学系の構築を行うことを1つの目的としており,本年度は,大型機関内の噴霧火炎の伝ぱ過程を模擬できる急速圧縮膨張装置において,液体燃料であるエマルション燃料の拡散火炎にレーザー背景散乱光撮影とシャドウグラフ撮影に加え,火炎温度測定のために直接カラー撮影の3手法の同時計測を適用し,種々の条件における燃焼時の噴霧構造の解析を試みた結果について検討した.3手法の同時計測を行うために,背景散乱光撮影用の散乱光とシャドウグラフ撮影用のレーザー平行光を大面積(300mm×100mm)のハーフミラーを用いて,同時に燃焼室に入射し,燃焼室通過後の光束は,ハーフミラーおよび干渉フィルターにより分光する.その結果次の知見を得た. 1.噴霧火炎は炭素粒子の生成・燃焼する輝炎部とその周囲に高温低密度の膨張域からなり,筒内圧を上昇させる. 2.低酸素条件下では輝炎部の温度は一様に低下するが,噴霧先端部を中心とした輝炎領域の拡大が認められる. 3.エマルション燃料の火炎温度は噴霧先端部で最大200K程度低下しており,全体的な輝炎温度は酸素濃度を18%程度に減少させた場合と同等であったが,NOx低減幅は数分の1である. 4.シャドウグラフ撮影で観察される噴霧領域はこの時点で輝炎体積の4倍に達しており,筒内圧力の増加は主に噴霧体積の急拡大に起因している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初,計画していた通り,2手法同時計測の光学系の構築が完了し,また,次年度に遂行する予定である実験装置の設計・製作も既に終了しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に設計・製作した実験装置を用い,本年度に構築・調整した新たな光学系を適用し,実験を行う.また,次年度の実験に用いる物品は,消耗品が主であり,物品納入の遅れによる実験の遅延がない.なお,実験によって得られた結果を逐次まとめながらその成果を,国内外の学会で発表する予定である
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,物品費の主が実験に必要な消耗品である. また,研究成果を国内外の学会に発表するため学会に出席する予定である.
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Research Products
(3 results)