2013 Fiscal Year Annual Research Report
窒素酸化物の選択的・不均一再循環を用いた天然ガス予混合圧縮着火燃焼の促進
Project/Area Number |
24760172
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
河崎 澄 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (90346099)
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Keywords | 予混合圧縮着火機関 / 天然ガス / 窒素酸化物 / 予混合 / 触媒 |
Research Abstract |
天然ガス予混合圧縮着火機関は,高効率と低エミッションを両立し得る高効率コジェネレーションシステム用動力源として期待されているが,自着火性の低い天然ガスの燃焼制御の難しさから,実用化には至っていない.本研究の目的は,排気中に微量に含まれる窒素酸化物NOxを用いて燃焼を促進する方法を見いだし,天然ガス予混合圧縮着火機関の燃焼制御性を改善することである. 平成24年度に実施した,急速圧縮膨張装置を用いた燃焼実験によると,天然ガス予混合気中にNOxを不均一に分布させれば,局所的なNOx高濃度部の着火が促進されるために,NOxを均一に分布させる場合よりも,高い燃焼促進効果を得られることが明らかとなった.ただし,予混合気中に局所的なNOx高濃度部を形成するためには,排気中のNOxを濃縮する必要がある. そこで平成25年度は,排気中のNOxだけを吸気に選択的に再循環する方法を提案し,その実現可能性を検討した.具体的には,NOx吸蔵作用をもつ貴金属触媒上にNOxを硝酸塩として一旦吸蔵し,それを,燃料を用いてNOにまで還元し吸気中に放出するものである.本研究では,市販のガソリン自動車用NOx吸蔵還元触媒を利用したリグ試験装置を試作し,モデルガスを用いた実験を行うことで,本方式の実現可能性について検討した.実験では,触媒上に吸着したNOxを再生する際に用いる還元剤の種類,反応温度,および空間速度の影響について調査した.その結果,還元剤にプロパンを含む燃料ガスを用い,反応温度を350℃とすれば,触媒上に吸着したNOの約25%を再生できることなどを見いだした.
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