2014 Fiscal Year Annual Research Report
MEMS式熱量計によるナノ粒子の比熱測定と低次元系比熱理論への実験的アプローチ
Project/Area Number |
24760178
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
阿部 陽香 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (70462835)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 比熱容量 / 熱量計 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は主に、①比較測定法による微粒子の比熱容量測定、②MEMS式断熱型熱量計の製作と改良を実施した。①については、金、シリコン、二酸化ケイ素、モリブデン、アルミナ、窒化チタンの6種類の微粒子について、従来の示差走査熱量測定法により比熱容量値を求め、各物質のバルク形状の比熱容量値との比較を行った。②については、2種類の熱量計を作製し、測定の検討を行った。はじめに、厚さ0.525mmのシリコン基板に厚さ20μmの熱酸化膜をつけ、厚さ50nmのチタン薄膜を下地として厚さ100nmの白金膜によりヒーターと温度センサーを装備した10mm角の大きさの熱量計を作製した。線幅は20μmとし、中心から放射状に試料加熱用ヒーター、試料温度測定用白金センサー、熱補償用ヒーター、基板温度測定用白金センサーを作製し、基板上で断熱法による比熱容量測定を可能とする構造とした。試料のセット部分は、試料加熱用ヒーターと試料温度測定用白金センサーの上部とし、直径0.8mmとした。試料温度測定用白金センサーについては、0℃において抵抗値100Ωの「Pt100」規格に対応することを目指したが、白金膜にはチタン薄膜が接触しており、抵抗値100Ωを得ることは困難であった。しかしながら、熱量計としては、正常に動作することが確認できた。次に作製した改良型熱量計は、中心から放射状に形成する構造体の設計を変え、試料のセット部分を直径0.6mmとし、より微小な試料に対応可能なものとした。試料温度測定用白金センサーに関しては、精密に設計することにより、室温において「Pt100」規格に対応できることが確認できた。さらに、試料加熱用のヒーター線を2線式から4線式に変更することによりリード線による抵抗値の影響を除去することが可能となった。この改良型熱量計もまた、正常に動作することが確認された。
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