2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24760185
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 智 信州大学, 繊維学部, 助教 (90571274)
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Keywords | 無人航空機 / 自律制御 / 最適設計 / モデル予測制御 / 粒子群最低化 |
Research Abstract |
平成25年度は,小型無人ヘリコプタの自律制御システムの高精度化,ヘリコプタの運動モデル及び運動解析の高精度化,そして,無人航空機最適設計手法の基礎の構築を行った. まず小型無人ヘリコプタの自律制御システムの高精度化として,シングルロータ型ヘリコプタを対象とし,モデル予測制御を用いた誘導制御系の構築を行った.ヘリコプタの状態に関する制約を陽に考慮しつつ,定められた性能指標を満足するように最適化問題を解くことで制御入力を決定するモデル予測制御を用い,衝突や入力飽和を回避しながら定められたポイントへ精度良くヘリコプタを誘導する制御系を実現した.前年度に構築した屋内実験環境下において,設計した誘導制御系を用いた飛行制御実験を行い,良好な制御性能が得られることを確認した.つづいて,同軸二重反転式ヘリコプタを対象として運動モデル及び運動解析の高精度化を行った.前年度に導出したヘリコプタの運動モデルの中で特にロータ周りの空気力学に着目し,同軸二重反転ロータ間の干渉を考慮した詳細な空気力学解析を行った.これにより,現実のヘリコプタの挙動をより良く表現する運動モデルを導出することができた.また,導出した運動モデルを用いた運動解析を行うことによって,各ロータのブレード剛性が機体の操縦安定性に対して大きな影響を与えるということを明らかにすることができた.最後に,本計画の最終目的である無人航空機の最適設計手法の基礎を構築した.これまでに導出したヘリコプタの運動モデルを用いた飛行シミュレーションと,粒子群最適化手法を用いて,所望の性能指標を満足する機体パラメータを自動で求める設計手法を提案し,特に同軸二重反転ヘリコプタのモデルを用いてその有効性を確認した. 本研究全体を通して,無人航空機の最適設計手法の基礎を構築することができた.今後,得られた知見を活用し,無人機設計理論を体系化していく.
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