2012 Fiscal Year Research-status Report
動的操りのための非ホロノミック性を有する内部ダイナミクス生成
Project/Area Number |
24760186
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 明 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70377836)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | ダイナミックマニピュレーション / 内部ダイナミクス / 非ホロノミック性 / ジャグリング / 押し搬送 |
Research Abstract |
労働力不足が懸念される日常生活での介護・福祉や,極限環境における危険作業などにおいて,人間の代替となるロボットの開発が強く望まれている.本研究では,それら作業を実現に最も重要な運動計画について,人間の技巧的動作に内在する動的挙動と作業物体との接触による拘束状態の性質を解明し,それを利用した新たな運動制御理論の構築を目指す. 平成24年度は,人間の実際のジャグリング動作を計測することで,ボールプレートシステムへ適応するための周期軌道の獲得を行なった.今後,出力ゼロ化制御のための出力関数の選定に用いる予定である.一方,ジャグリング問題の一環として,ラケット(プレート)によるボールのパドルジャグリング問題を取り扱い,ロバストな打ち上げの繰り返し,すなわち周期制御を達成した.また,その拡張として,壁打ち問題を取り扱い,複数回の周期運動を実現した.別の問題として,打ち返し問題を取り扱い,高速スピンを有する卓球ボールを望みの位置に打ち返すアルゴリズムを構築した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究内容として,コンタクトジャグリングにおける周期軌道生成のための出力関数を得るために,実際の運動の計測・解析を行なったが,具体的な関数が特定できていないため,ボールプレートシステムへ適用可能な理論構築が遅れている. また,押し搬送については,時間制約より,実施が遅れがちであり,明確な成果が出ていない. 一方,ボールプレートシステムにおいて,接触・非接触を考慮した拡張系においては,パドルジャグリング,壁打ち,打ち返しなどにおいて,周期運動,およびダイナミックな運動計画を達成している. 以上から,当初の課題の一部については遅れており,研究を進める中で新たに着想したテーマについては良好な結果であることから,上記の通り,やや遅れている,と判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
達成度の自己点検評価にて述べたとおり,当初に掲げた課題について,やや遅れが生じている.コンタクトジャグリングを達成するためのボールプレートシステムの周期運動制御においては,出力関数の選定を行うとともに,実験の作成および実証実験を予定している.押し搬送については,倒立振子のアナロジーに加えて,飛翔体の知見について研究収集を行うことで,搬送のための理論構築を推進する予定である. 研究を進める中で新たに着想したボールプレートシステムの接触・非接触を考慮した拡張系においては,さらに複数個のボールでのパドルジャグリングや,プレートを剛体棒に置き換えたデビルスティックへの展開も視野に入れている.ダイナミックマニピュレーションの一種である打ち返しについて,打ち返し位置のみならず,速度・回転速度の指定を考えている.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|
Research Products
(2 results)