2013 Fiscal Year Annual Research Report
動的操りのための非ホロノミック性を有する内部ダイナミクス生成
Project/Area Number |
24760186
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 明 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70377836)
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Keywords | ダイナミックマニピュレーション / 内部ダイナミクス / 非ホロノミック性 / ジャグリング / 押し搬送 |
Research Abstract |
本研究は,人間の労働力の代替となるロボット,特に,日常生活での様々なタスク(介護,道具の把持・操り,飛来する物体の操りなど)を実現するロボットの実現を目標として,最も重要な運動計画について,人間の技巧的動作に内在する動的ダイナミクス,および作業物体との接触(拘束)の性質といった本質的な側面からアプローチすることで,新たな運動理論の構築を目指すものである. 平成25年度は,まず,ボールプレートシステムにおいて,球と平板の摩擦の挙動の性質が単純なクーロン摩擦ではないこと,またその性質がタスクの安定性と動作計画に影響を及ぼすことから,接触状態の切り替えを伴う新しいモデルの構築を行なった.クーロン摩擦を用いた切り替えモデルの表現手法は様々なものがあるが,実際の挙動は動的な性質(ストライベック効果,スティックスリップ現象など)を持つことから,その性質を良く表現するLuGreモデルを組み込むことを試みた.その際,従来の線形相補性問題(LCP)モデルとは親和性が低いため,衝突を衝突時の力積ベースのダイナミクスで表現するインパルスベースドシミュレーション(IBS)手法と組み合わせることで,この問題をクリアすることに成功し,より表現力の高いモデルを得ることができた. 別の問題として,卓球におけるボールの打ち返しタスクにおいて,以前我々の研究グループが構築したラケットの跳ね返りモデルに基づき,望みの打ち返しボール軌道を実現するラケット運動(打ち返し速度,姿勢)を導出する逆問題の解析解を得た.また,ロボットマニピュレータを用いた実験により,望みの相手コート位置への打ち返しが可能であることを実証した.
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