2013 Fiscal Year Annual Research Report
力覚を有する遠隔操作システムにおける新たな操作性指標の提案と制御系設計への応用
Project/Area Number |
24760198
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
只野 耕太郎 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (90523663)
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Keywords | 力覚提示 |
Research Abstract |
本年度では,力の知覚感度の向上を目的として,操作力を温度として提示することを試みた.力覚と温度感覚を同時に利用することにより,人間の力覚感度の向上を目指す.はじめに,ペルチェ素子を用いて指先への温度提示装置の開発を行った.ペルチェ素子の片面を指先に当て反対面を空気流によって一定温度に保つ構造とした.熱電対による温度のフィードバック制御を構成し,評価実験により一定の温度制御性能を有することを確認した.続いて,開発した温度提示装置を用い,温度提示が力覚に与える影響を調べた.複数の被験者に対して,温度を反力の関数として提示する実験を実施した.その結果,温度提示によって操作力精度が向上することが確認された. また,力の大きさだけでなく方向に対する知覚感度を向上させることを目的として,指先に空気噴流刺激を与える方法を提案した.はじめに,小型で力覚提示装置の先端に取り付け可能な空気流れによる指先刺激装置を開発した.本装置には4つの空気吹き出し孔が設けられており,それぞれからの空気噴流の強さによって力の方向を提示することができる構造とした.. 次に,提案手法の有無による力の方向の知覚分解能を被験者実験によって調べた.従来の力覚提示のみの場合では,提示する力の大きさが1N のときは約14 °の違いまで認識することができたが,0.6N の場合は約22 °までしか知覚できなかった.しかし,提案する力の方向提示を行った場合は約9 °の違いまで認識することができた.以上の結果より,力の方向提示を行うことによって,力の方向の知覚分解能が力覚提示のみの場合より向上したことを確認した.
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