2013 Fiscal Year Annual Research Report
形状・剛性の自律適応機能を有する触覚応答型柔軟被覆材料の研究開発
Project/Area Number |
24760201
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
鈴木 陽介 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (20582331)
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Keywords | モジュラーロボット / 適応変形 / ソフトメカニクス |
Research Abstract |
本研究課題は、ロボットハンド指先部等に実装でき、接触しようとする物体に対して自律的かつ適応的に形状・剛性を変化させる機能を有する被覆機構の研究開発を目的として行われた。すなわち、物体との接触により生じる圧力を感知する素子を複数配置するとともに、その反応分布に応じて素子間に配置されたアクチュエータを駆動する仕組みを形成することによって、CPU等による制御を必要としないなじみ機構である。 本機構においては所望の特性を有する検出素子およびアクチュエータの発見と選定が課題となった。はじめに、マトリクス状に配置した感圧導電性ゴムのユニット間を形状記憶合金を原料とした繊維状アクチュエータで結合し、隣接素子間の反応量差に応じて伸縮による構造変形機構を提案・設計した。この機構は薄型柔軟であることが利点とされたが、素子感度や機構の変形力の不足などから望ましい動作を得ることが困難であった。 そこで、コンセプト自体を維持したまま構成の再検討を行った。最終年度の成果は主として以下の内容である。構造全体を多関節リンク機構として形成し、各節には検出素子として反射型フォトセンサを配置する構成とした。各節のフォトセンサの反応量の情報は、センシング同様に発光の強弱によって隣接する節へと送られる。このとき各関節に配置されたアクチュエータは、隣接する節同士のフォトセンサの反応量差から駆動量を決定される。これらの演算は全てアナログ回路で実現する仕組みを提案した。本提案は、光のやり取りのみで適応変形を行うモジュラーロボットシステムとして学会発表を行っている。この構成は、関節をまたぐように検出を配置した離散的な構造にも対応可能であり、ロボットハンドの指一本ずつあるいは手掌部を含めたハンド全体をひとつのモジュラーロボットとして構成することで、把持安定性を自律的に向上させる機構と制御の研究への発展性を示すものとなった。
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Research Products
(3 results)