2013 Fiscal Year Annual Research Report
誘導性身体動揺の数理モデリングと身体挙動制御への応用
Project/Area Number |
24760206
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
今村 孝 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10422809)
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Keywords | 非侵襲生体計測 / 計測工学 / 感性情報学 / 知能機械 / 制御工学 |
Research Abstract |
応用フェーズと位置づけた平成25年度の実績としては,前年度構築した立位制御モデルについて,1)被験者数を増やしたモデルの汎用性・妥当性の検証,2)実空間での作業や体験に対する応用可能性の検討 の2点に関する研究を進めた. 1)としては,基礎フェーズに加えさらに4名の被験者に対してモデリングのための挙動計測実験を進めて,モデル化手法の汎用性を確認するとともに,一部被験者については,基礎フェーズから継続する定期・長期的な計測実験を行うことで,時間推移に対するモデルパラメータの変化傾向を把握した.これにより,種々の状態にある被験者挙動の60~80%に対して,本モデル化手法による定量化が可能であることを確認した.また,長期的実験の解析を進める中で,被験者挙動の位相特性に着目した解析が可能であることを確認し,2)に応用した. 2)としては,基礎フェーズで導入したドームスクリーンを用いた自動車運転時を模した環境再現システムの構築を進めたが,機器構成の調整が十分にできず応用には至っていない.本システムの構築は研究終了後も継続することとし,本検討においては,所属研究室保有のドライビングシミュレータにより代替し,研究を進めた.また実空間での応用における課題となっていた,誘導運動の判定方法について,1)に示した被験者挙動の位相特性情報が有用であることを確認した.具体的には,被験者挙動に含まれる主たる周波数成分と,被験者に提示した視覚刺激の周波数成分との位相の先行情報を定量的に区分することで,実験で収集した被験者挙動の50%程度のクラスタリングが可能であった. 本課題研究終了後も継続して,応用システムの構築と位相特性情報の解析を進め,本研究を進める予定である. 1),2)の結果については,平成25年に開催された国内学会において学会発表を行うとともに,前年度成果と併せて,論文投稿の準備を進めている.
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