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2012 Fiscal Year Research-status Report

ドライプロセスを用いた高分子アクチュエータ融合デバイスの研究

Research Project

Project/Area Number 24760209
Research InstitutionWakayama University

Principal Investigator

菊地 邦友  和歌山大学, システム工学部, 助教 (20588058)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords高分子アクチュエータ / 微細加工 / プラズマ処理 / 反応性イオンエッチング / 無電解めっき / センサ特性 / イオン導電性高分子
Research Abstract

本研究の目的は、実用化が期待されている高分子アクチュエータの一種である、イオン導電性高分子アクチュエータ(イオン導電性金属接合体: Ionic Polymer-Metal Compoite [IPMC])に対する従来の微細加工技術と融合可能な加工技術の確立である。
本年度は、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching: RIE)技術に代表される微細加工技術を活用したIPMCの作製プロセス提案を行い、技術課題の解決(要素技術開発)とその有効性確認を行った。また、IPMCは、センサとしても利用が期待されていることから、センサ特性評価も実施した。具体的には、下記の成果が得られた。
1、ドライプロセスを利用したIPMCの微細加工方法の確立:IPMCの基材となるイオン導電性高分子は、市販されている平板膜が利用されており、使用可能な膜厚も限定されている。また、IPMCはイオン導電性高分子膜に無電解めっきを行うことで作製する方が性能が良いとされる。したがって、これらの技術を融合した効率的な微細加工技術の確立が必要である。
その解決策として、RIEプロセスを活用することにより、高分子膜を成形するとともに、めっき領域を制御するできるプロセスを提案し、その有効性を確認した。試作段階であり、プロセスの最適化が必要であるが、幅0.4mmのIPMCを作製することができた。
また、提案したプロセスでは、従来必要であった電極間絶縁のための膜側面の切断が不要となることも分かった。
2、IPMCアクチュエータのセンサ特性に関する評価:IPMCはセンサとアクチュエータ機能が一体となったスマート材料として活用できる可能性がある。このため、IPMCのセンサ特性を評価した。この結果、空気中で動作させたIPMCセンサでは、サイズ、湿度によりセンサ特性が大きく変化することを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は、IPMCに対する従来の微細加工技術と融合可能な加工技術の確立であり、提案したプロセスの有用性を確認できた。このことから、研究初年度の計画はおおむね達成できたと考えられる。
また、IPMCアクチュエータのセンサ特性に関する評価についても計画通りに実施した。結果、空気中で動作させたIPMCセンサにおいては、サイズ、湿度によりセンサ特性が大きく変化することを確認できた。
以上により、おおむね順調に研究は進行できていると自己評価する。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策については、以下の通りに検討している。
1、ドライプロセスを利用したイオン導電性高分子アクチュエータの微細加工方法の確立:有効性を確認した提案プロセスの加工精度の向上、条件最適化を行う。また、市販されている平板膜だけでなく、成型可能な分散溶液などを利用し加工したイオン導電性高分子成形品の利用可能性を評価する。
2、RIE処理後のイオン導電性高分子膜における化学的・物理的改質状況の考察:RIE処理したイオン導電性高分子膜は、照射部ではカウンターイオンが吸着されにくく、未照射部ではカウンターイオンが吸着可能といった改質現象が見られるが、この原理などについて学術的な知見は少なく、微細加工技術への応用は行われていない。このため、RIE処理後のイオン導電性高分子膜における化学的・物理的改質状況の考察を行い、得られた知見は、微細加工技術の確立に反映させ、加工精度の向上に活用する。具体的には、電子顕微鏡による表面観察、FTIRなどの分光解析による高分子膜の組成・結合状態の知見を得る。
3、IPMCアクチュエータのセンサ特性に関する評価:IPMCセンサは、サイズや動作環境で特性が変化する。このため、サイズ・湿度だけではなく、形状やカウンターイオンの変更など、IPMCセンサが有効に活用するための条件の知見を得る。この際、①で確立した技術を活用したセンサも試作し、評価する。
4、IPMCアクチュエータの動作特性の向上:IPMCは、内部の可動イオンであるカウンターイオンの種類や動作環境により、その動作特性を大きく変化させる。このため、これら環境の同アクチュエータの動作性能への影響を評価し、性能向上の知見を得る。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究費の使用計画として、下記の通り支出させていただく予定である。
1、評価設備:アクチュエータ、センサ特性評価には、電気機械特性、電気化学特性の多くの評価項目を実施する必要がある。この際、アクチュエータ・センサを固定するための評価用電極と測定位置調整用のステージが必要である。
2、消耗品:研究を実施するに当たり、提案プロセスで使用するRIE装置の消耗品として、エッチング対象に対応した反応性ガス・ガス配管用部材が必要となる。また、高分子アクチュエータ作製には、高分子材料であるイオン交換膜加工品(成形膜、溶液、顆粒)・電極材料(金錯体)が必要となる。また、基板、メタルマスクなどの加工用治具も必要となる。
3、研究成果発表経費:平成25年度は、国内会議(年2回)、およびスイスで開催の国際会議(1回)を予定している。これらの成果発表経費に使用させていただく。

  • Research Products

    (6 results)

All 2012 Other

All Presentation (4 results) Remarks (2 results)

  • [Presentation] 微細構造を有するパターン化IPMCの作製手法の開発2012

    • Author(s)
      谷口 智久、菊地 邦友、幹 浩文、土谷 茂樹
    • Organizer
      第13回 計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会 (SI2012)
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場 (福岡県)
    • Year and Date
      20121218-20121220
  • [Presentation] イオン導電性高分子アクチュエータにおけるデンドライト状電極のカチオン濃度分布への影響2012

    • Author(s)
      廣田 滉平、菊地 邦友、谷口 智久、金 壯憲、幹 浩文、土谷 茂樹
    • Organizer
      第13回 計測自動制御学会 システムインテグレーション部門講演会 (SI2012)
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場 (福岡県)
    • Year and Date
      20121218-20121220
  • [Presentation] 有限要素解析によるイオン導電性高分子アクチュエータの形状効果の検討と評価

    • Author(s)
      廣田 滉平、菊地 邦友、土谷 茂樹、幹 浩文
    • Organizer
      日本機械学会関西支部 関西学生会 平成24年度学生員卒業研究発表講演会
    • Place of Presentation
      大阪工業大学 大宮キャンパス (大阪府)
  • [Presentation] イオン導電性高分子金属接合体のセンサ特性における寸法・湿度の影響

    • Author(s)
      田中 雄一郎、土谷 茂樹、菊地 邦友、幹 浩文
    • Organizer
      日本機械学会関西支部 関西学生会 平成24年度学生員卒業研究発表講演会
    • Place of Presentation
      大阪工業大学 大宮キャンパス (大阪府)
  • [Remarks] 和歌山大学 システム工学部 光メカトロニクス学科 マイクロ工学研究室

    • URL

      http://www.wakayama-u.ac.jp/~kikuchi/Lab/

  • [Remarks] 個人ホームページ

    • URL

      http://www.wakayama-u.ac.jp/~kikuchi/

URL: 

Published: 2014-07-24  

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