2013 Fiscal Year Annual Research Report
ドライプロセスを用いた高分子アクチュエータ融合デバイスの研究
Project/Area Number |
24760209
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
菊地 邦友 和歌山大学, システム工学部, 助教 (20588058)
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Keywords | 高分子アクチュエータ / 微細加工 / プラズマ処理 / 選択的無電解めっき / イオン導電性高分子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、実用化が期待されている高分子アクチュエータの一種である、イオン導電性高分子アクチュエータ(イオン導電性金属接合体: Ionic Polymer-Metal Compoite [IPMC])に対する従来の微細加工技術と融合可能な加工技術の確立である。 本年度は、昨年度に得られた研究成果を基に、引き続き、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching: RIE)技術を応用した微細加工技術によるIPMC作製プロセスの技術課題の解決と改善(要素技術開発)を行った。また、提案プロセスの加工精度を向上させるためには加工メカニズムを明らかにする必要がある。このため、RIE処理後のイオン導電性高分子膜における化学的・物理的改質状況の考察を行った。具体的には、下記の成果が得られた。 1、ドライプロセスを利用したIPMCの微細加工方法の確立:昨年度に提案したプロセスの加工条件を検討し、加工精度を向上げるための課題解決、改善を行った。具体的には、RIEプロセスにおける基板とメタルマスクとの密着性を向上させることにより、幅0.1mmのIPMCの作製が可能であることを確認した。 また、提案プロセスにより複数回の無電解めっきを行った場合において、従来の作製プロセスでは必要であった電極間絶縁のための膜側面の切断が不要であることも確認した。 2、RIE処理後のイオン導電性高分子膜における化学的・物理的改質状況の考察:提案プロセスは、固体電解質に対し、プラズマ照射部ではカウンターイオンが吸着されず、未照射部では吸着するという表面改質現象を利用している。赤外分光法による膜の観察によりこの改質のメカニズムについて考察した。透過法で観察した結果、膜内部には大きな変化は確認できなかった。一方、ATR法を用いた結果、表面に照射したプラズマの影響によるスペクトルの変化が確認された。
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Research Products
(9 results)