2013 Fiscal Year Annual Research Report
ロボティクスとベクトル解析を融合させた新たな向精神薬スクリーニング系の構築
Project/Area Number |
24760214
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石井 裕之 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (10398927)
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Keywords | 移動ロボット / 精神疾患モデル動物 / 向精神薬 |
Research Abstract |
精神疾患患者の増加に伴い,より効果的な向精神薬開発の必要性が高まってきている.一方で,向精神薬の開発過程で用いられるスクリーニング系の妥当性を疑問視する声も少なからず存在し,その妥当性の低さが向精神薬開発のボトルネックになっているとの指摘もある.そこで,本研究では,申請者らが開発した精神疾患モデル動物作成技術をベースに,ロボット技術とデータマイニング技術を融合させた新たな向精神薬スクリーニング系の開発に取り組む.具体的には,作成した精神疾患モデル動物に対して複数の行動試験を行い,その結果をベクトルとして多次元的に解析することで,より多角的に向精神薬の評価を行う方法論の構築を目指した. 平成25年度は新たな行動試験プロトコルの開発に取り組んだ.ここでは,個体の精神疾患脆弱性は,環境との相互作用の中で形成されるとの仮説にもとづき,2種類の行動試験のプロトコルを提案した.1つ目は,複数のラットで形成される群中で,ロボットがある特定の個体だけにストレス暴露を行う実験プロトコルである.この実験プロトコルを実現するために,画像処理によって実験装置内に放たれた3匹のラットをそれぞれ認識し,ロボットがそのうちの1匹だけに攻撃を加える制御アルゴリズムを構築した.2つ目は,ロボットがラットに対して遊びのような友好的な働きかけを行う実験プロトコルである.この実験プロトコルを実現するために,ロボットがラットとの接触を回避しつつラットを追従する制御アルゴリズムを構築した. 上記の2つの実験プロトコルを用いて実験を行った結果,ストレス暴露を行う実験系ではラットの鬱的行動の発現頻度が増大し,遊びを行う実験系では鬱的行動の発現頻度が低下する傾向が見られた.
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Research Products
(2 results)