2012 Fiscal Year Research-status Report
オンラインPV出力推定・短時間先変動予測を用いた先進的配電系統電圧マネジメント
Project/Area Number |
24760223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 亮一 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (80361872)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 配電系統 / 電圧制御 / 太陽光発電 |
Research Abstract |
(1) PV出力と需要との合成である電力潮流情報からPV出力を抽出するための手法を開発した。このPV出力抽出手法は混成情報から特定情報を分離抽出する独立成分分析に基づいている。また,その抽出精度を検証するために,実配電系統を想定したモデル系統を作成して計算機シミュレーションを実施したところ,数%程度の誤差で抽出できることを検証した。 (2) 短時間先(数分~10分程度を想定)のPV出力変動予測手法を開発した。本手法は,直近の10分間のPV出力平均値を,研究代表者らが過去に開発したPV出力変動の静的モデル(出力平均値と出力変動の分布の関係を記述した統計モデル)に代入することで,PV出力がごく近い将来(数分~10分程度を想定)にとりうる値の確率分布を与えるものである。入力データである直近10分間のPV出力平均値については,(1)で述べたPV出力抽出結果を利用する。(1)で述べたとおり,PV出力抽出結果(瞬時値)には数%程度の誤差が含まれるが,短時間先出力変動予測ではPV出力の平均値を求める段階で丸められるため,大きな影響はないと考えている。 (3) 予測されたPV出力変動に基づき,短時間先の配電系統電圧プロファイルの確率分布を計算する手法を開発した。具体的には,PV出力変動ならびに需要の変動を確率的なシナリオとして取り扱い,想定される多数のシナリオに対して並列的に潮流計算を実施することで電圧プロファイルの確率分布を求めている。通常の確率潮流計算では確率変数の分布が正規分布であるという仮定のもと,その平均値と分散に着目して計算量を節約しているが,提案手法ではシナリオベースの潮流計算を行っているため,ノード電圧などの系統状態に対して制御量が決定される静止型無効電力補償装置の動作などを含めて評価することが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
概要で述べた(1),(2)は当初より平成24年度に実施する項目として計画したものであり,そのいずれも計画通りに実施できたと考えている。 また,概要で述べた(3)については当初の研究計画には含まれていないが,平成25年に実施予定の「先行的な配電系統電圧協調制御手法の開発」に必要であると判断されたため,先行的に追加実施したものであり,「当初の計画以上に進展している」と自己評価した根拠である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に開発した短時間先PV出力変動予測手法ならびに配電系統電圧分布予測手法に基づき,動作応答の遅い負荷時タップ切替変圧器(LRT)を先行的に制御するための具体的な制御手法を開発する。具体的には,LRTの各タップ位置における電圧分布を確率分布として比較し,より電圧逸脱の可能性が低くなるようにタップ位置を決定することを想定している。このようなタップ位置の決定は電圧逸脱のリスクの事前回避の効果が期待できる。一方で,従来のLRTの制御手法の一つである線路電圧降下補償器(LDC)も負荷中心点における電圧をある範囲の幅に収めることで電圧逸脱のリスク回避を狙った手法であり,提案手法との併用も効果が期待される。そこで平成25年度では,電圧分布予測に基づく制御手法と従来のLDCによる制御手法との協調についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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Research Products
(2 results)