2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境負荷の低いガス遮断器の開発を目指した磁気ロータリー型代替ガス遮断器の研究
Project/Area Number |
24760225
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤野 貴康 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80375427)
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Keywords | ガス遮断器 / 電磁流体解析 / アーク |
Research Abstract |
本研究課題では、極めて環境負荷の大きいSF6ガスを全く用いないCO2カス遮断器を対象とし、その遮断性能向上に磁気ロータリ効果が実質的に有効に働くか否かを電磁流体解析から見極める事を目的とした。この目的のために、まず、CO2ガス遮断器環境下で磁気ロータリー効果を扱える3次元非定常電磁流体解析プログラムを開発した。このプログラムでは、遮断器内部の複雑な流路形状と遮断過程時の電極移動、CO2/SF6の熱化学係数(エンタルピーや密度など)・輸送係数(熱伝導率・電気伝導率・粘性係数)・輻射損失の温度・圧力依存性、ローレンツ力、ジュール熱、誘導起電力などの磁気ロータリーガス遮断器の解析で取り扱うべき物理現象を考慮した。次に、莫大な計算負荷に対応するため、PCクラスター並列計算機(30CPU並列計算機)を構築し、交流遮断過程(50Hz交流電流の1周期相当)の非定常解析を2ヶ月程度で終了できる計算機環境を整備した。解析結果から、磁気ロータリ効果によりアークの冷却が促され,アーク抵抗の上昇とパッファー室の圧力増加が十分に期待できることをCO2ガス遮断器環境下で示した。また,SF6環境下ではスパイラル形状のアークが得られる遮断条件において,CO2では円筒形を保ったままアークが高速回転しており,ロータリアークの形状にガス種依存性があることがわかった.さらに,0.15T程度の印加磁束密度を基準とし、磁束密度依存性(基準値の2倍、3倍での解析を実施)を調べたところ、印加磁束密度の上昇に対し、パッファー室圧力の上昇及びアークの回転速度の増加が確認できた。一方で、印加磁束密度の上昇に伴うアーク抵抗の上昇量は小さく飽和傾向が示された。以上述べたように、本研究で実施した高度な三次元非定常電磁流体解析から、CO2ガス遮断器の遮断性能向上に磁気ロータリ効果が実質的に有効に働くことが示された。
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