2013 Fiscal Year Annual Research Report
パーフルオロカーボンを用いた新奇磁気アルキメデス法の開発
Project/Area Number |
24760232
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三島 史人 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80558263)
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Keywords | 磁化率 / 溶存酸素 / パーフルオロカーボン / 常磁性 / 反磁性 / 磁気アルキメデス / 磁気力 |
Research Abstract |
本研究では作業媒体に溶存酸素を利用し、物質の磁化率、密度の差によって浮揚場所が異なることを利用する分別方法として、磁気アルキメデス分離法により食品や有価物の分画の検討を行っている。しかしながら、塩化マンガン等の遷移金属のハロゲン化合物を水に溶解させた常磁性液体を用いるため、後工程で分離物質に付着した遷移金属塩の除去などが必要である。付着したハロゲン化合物を除去することは、分離物質として食品や医薬品等を扱う場合には弊害となり、その安全性を確保するという意味で実用化において重要である。そこで、酸素を加圧溶解させ常磁性を示す作業媒体として用いれば、酸素と有機溶媒に再生でき、分離後の分離物質あるいは装置表面にハロゲン化合物は残存することはない。そこで本研究では酸素をパーフルオロヘキサンに加圧溶解させた媒質を用いた磁気アルキメデス法を検討した。 初年度は作業媒体の磁化率の制御および超伝導ソレノイドコイルを磁場発生源として利用した分離の可能性について検証した。最終年度は、効率良く分離するための分離方法について検討し、磁場発生源に高温超伝導(HTS)バルク磁石を用い、鉛直方向と垂直方向の作用力を利用する分離法を検討した。HTSバルク磁石はソレノイド磁石の磁場分布とは異なり、径方向にも高磁場勾配磁場を形成しているため、媒質および粒子には水平方向への大きな磁気力が働くので水平方向にも分離対象物を移動させることができる。分離プロセスとして、粒子を一度わずかに浮遊させ水平方向に粒子を移動させることで分離する方法を検討した良好な分離方法の提案を行うことができた。
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