2013 Fiscal Year Annual Research Report
需要家電気エネルギーシステム監視制御による供給信頼度マネジメント
Project/Area Number |
24760236
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 政幸 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90398115)
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Keywords | 電力系統工学 / 制御工学 / 電力系統監視 / 電力系統制御 |
Research Abstract |
電気エネルギー供給の形態が大規模集中型から小規模分散型の運用へシフトしつつある状況下においても高い供給信頼性は確保されなければならず,分散配置される電源の増加や需要家における負荷機器構成が電力系統の特性に与える影響を的確に捉えることが重要である。本研究では電力系統において監視情報に基づきシステム状態を評価するとともに制御方策を検討した。 最終年度においては,電力系統における計測情報を用いた特性抽出に基づく系統制御方式として,複数の計測情報からシステム状態の変化を抽出してモデル化し,その変化分およびモデル化誤差を補償する制御系を設計することで,不確定性を含むシステム状態の変化に対しても高い効果を有する制御系設計方法を検討した。詳細なシステム情報が不要という特長を有し,適応的に系統制御が行えることが確認できた。また,電源を含む需要家システムや小規模グリッドにおける安定度余裕推定方法を検討し,特に自立運転状態においては運用上の制約が大きくなり,周波数や電圧の変動および電力動揺も生じやすくなることから,安定運用を実現するための余裕度を推定するため,固有値算出に基づく各構成機器の寄与度を調べる方法を検討した。この方法により運用上の不安定要素を特定することができ,信頼度を確保するための系統制御方策に対する有用な指標として活用できる可能性を示した。 研究期間全体を通じて,計測情報を用いた電力系統特性の抽出およびモデル化と系統制御手法,需要家システムにおける特性抽出に基づく安定性の評価方法について検討し,電力系統シミュレーションにより種々の条件下での検証を実施した。その結果,不確定性の増大に伴う特性変化の把握およびその変化に適応できる制御方式,安定性の適切な評価方法の有用性を示すことができた。
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Research Products
(4 results)