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2012 Fiscal Year Research-status Report

モジュラーマルチレベルコンバータ構成による新しい分散型電源システムの研究

Research Project

Project/Area Number 24760237
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

浜崎 真一  長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80363472)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsマルチレベルコンバータ / 系統連系 / インバータ / 有効電力制御
Research Abstract

太陽電池・風力発電等の発電機器による分散型電源の普及が期待されており,またこれらを1つのグループとして統合的に管理・運用するスマートグリッドの考えも注目されている。将来のこれらの普及を考慮し,直流系統電圧の高電圧化および安定化を目的とした分散型電源用の新しい直流/交流送電の電力変換システムとして,モジュラーマルチレベルコンバータ(MMC)と呼ばれる新しい電力変換器構成の考え方を用いた分散型電源の回路・制御方式について研究を行い,MMCの特徴を活かした次世代型の新しい分散型電源システムの開発を行った。
本研究で行ったMMCのシステム構成は,三相の交流/交流電力伝送を行うための構成で,この構成により,入力側と出力側で授受する有効電力・無効電力の制御を行うことにより,電圧の安定化を図ることができる。このシステムを電力送電の中継点やスマートグリッドによりグループ化された送電システム間を接続する変換器として用いることで,電圧降下等による送電網の不安定性の問題を改善することができる。また,変換器のマルチレベル構成により,出力電圧の高調波歪みが少なくなり電力品質も向上する。
MMCは汎用の電力変換器を多段接続した回路構成で,複数コンデンサの電圧管理および直流送電の電力平準化制御を行うと同時に,分散型電源として交流系統への電力送電の有効・無効電力制御を行う。本研究では,この電力送電とコンデンサ電圧の調整を含めたシステム全体を統合的に制御する方式について理論的な解析を行い,それを実現するための新しい制御方式を提案した。提案方式にについて回路解析ソフトによるシミュレーションを行い,その有効性を示した。さらに実験による検証を行うための試験回路の作成を行い,制御プログラム開発等を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画に示したように分散型電源モデルへMMC回路を適用した新しい回路システムを構築し,新しい制御方式を提案した。提案方式について理論解析を行い,1.コンデンサ電圧の不均一を除くための電圧均一化制御,2.交流系統側への送電に加え,各cellのコンデンサの電圧調整用の充放電による電力の授受を行う有効電力制御,3.コンデンサ部分にバッテリーを接続し交流系統への出力が一定となるようにする出力電力平準化制御を行い,シミュレーションによりその有効性を明らかにすることができた。
翌年度の実機試験へ向けた実験回路の作成も進め,マルチレベルコンバータの基本回路部分およびそれに関するDSPとFPGSの制御プログラム開発を行い,基本的な動作が可能であることを確認した。今後はこの基本回路を組み合わせることで目的のシステム構成を構築し,実機試験を行うことができると考えられる。以上のことから,本研究は計画に沿って,おおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

提案したシステムの制御方式の有効性を示すために実機実験による検証を行う。マルチレベルコンバータの基本回路部分の動作確認まで行ったので,これを拡張することで,提案したシステムの実験回路構成にする。さらに,理論解析およびシミュレーションで確認できた提案制御方式について実験プログラム開発を行い,データの収集および考察を行いながら適正に動作可能かを検証していく。条件として,負荷変動,発電電力の変動などの複数の条件を考慮した実験データの収集を行う。
シミュレーションと実験での動作が異なる場合,問題が生じた場合はその原因を検証し,制御プログラム等に適宜修正を加える。プログラムのデバッグを行いながら部分的な試験を繰り返して行うことにより,問題箇所の発見・修正を行う。
最終的にこれらの実験結果を踏まえて,提案システムの有効性の実証まとめを行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

実験回路作成・拡張のための回路部品を購入する。主な部品として,電力用デバイス(IGBT),電圧・電流センサが挙げられる。また,実験の電圧・電流測定のための測定器を購入し,制御の安定性を確認するための波形観測および電圧の高調波歪み等を測定し,提案方式の有効性を示すためのデータを取得する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Power Flow Control of Modular Multilevel Converter Based on Double-Star Bridge Cells Applying to Grid Connection2012

    • Author(s)
      Shin-ichi Hamasaki, Kazuki Okamura, and Mineo Tsuji
    • Organizer
      The International Conference on Electrical Machines and Systems (ICEMS)
    • Place of Presentation
      北海道(札幌市道民活動センター)
    • Year and Date
      20121021-20121024
  • [Presentation] ブリッジセル二重Y結線形モジュラーマルチレベル変換器を用いた系統連系電力制御2012

    • Author(s)
      岡村 一樹, 浜崎 真一, 辻 峰男
    • Organizer
      平成24年電気学会産業応用部門大会
    • Place of Presentation
      千葉県(千葉工業大学)
    • Year and Date
      20120821-20120823

URL: 

Published: 2014-07-24  

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