2013 Fiscal Year Research-status Report
メートルサイズ大気圧プラズマによる手術室壁面の一括滅菌処理
Project/Area Number |
24760241
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
赤松 浩 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10370008)
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Keywords | 大気圧低温プラズマ / 拡散共表面バリア放電 / 滅菌 |
Research Abstract |
本研究は,大面積をもつ壁や床の表面に拡散共平面バリア放電による大気圧低温プラズマを生成し,その表面を滅菌処理することを目的としている。当初の計画では,平成25年度は拡散共平面バリア放電電極を有する壁サンプルにおいて滅菌実験を行う予定であった。しかしながら,平成24年度の実験において,試作した壁サンプルにおける安定な大気圧プラズマの生成が困難であったため,新たにPTFEを誘電体材料に利用した壁サンプルを作製し,大気圧プラズマの生成を行うことにした。 壁サンプルに電圧-4kV,周波数13kHzのパルス電圧を印加すると,壁表面に均一な拡散共平面バリア放電によるプラズマの点灯を確認した。このとき,投入エネルギーは31.2mJであることがV-Qリサジュー図形から概算できた。プラズマの発光を分光計で計測したところ,窒素分子,窒素分子イオンラジカルおよび原料ガスであるヘリウムの励起種の存在を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度の実験により,PTFEを用いて試作した壁サンプルにおいて拡散共表面バリア放電による大気圧プラズマの生成に成功した。しかしながら,この実験では放電電圧を低下させるために意図的にヘリウムガスを混合している。実際の使用では,ヘリウムを用いることなく空気のみで大気圧プラズマを点灯しなければならない。これを行うには,壁サンプルに 印加するパルス電圧の波高値を10kV級に上昇させる必要がある。そこで,研究期間を1年延長し次の「今後の研究の推進方策」に記す実験を行うことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針として,大気圧プラズマ発生用の高電圧パルス電源を改良する。本研究において,拡散共表面バリア放電は空気中で生成する必要があるため,波高値が10kV級の高電圧パルスを発生する必要がある。これを実現するため,パルストランスおよび半導体スイッチを用いた高電圧パルスモジュレータを新規に作製する。これを作製したのちは,空気中での拡散共表面バリア放電の生成をこころみ,そこから生じる活性種ほ評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究を進める過程において,安定な拡散共表面バリア放電を低消費電力で生成するには,高電圧パルス電源の改良が必要になることがわかった。この電源の設計に時間をようしたため,平成25年度中での作製および実験が遅れたため未使用の研究費が生じた。 未使用の研究費は,高電圧パルス電源の改善として,電源回路の購入に充てる予定である。また,それによる追加の実験結果を発表するための旅費としても使用する予定である。
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