2013 Fiscal Year Annual Research Report
回転マグネットスパッタ技術を用いた高性能酸化物半導体薄膜トランジスタの開発
Project/Area Number |
24760248
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 哲也 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (00359556)
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Keywords | 薄膜トランジスタ / IGZO / マグネトロンスパッタ / キセノン |
Research Abstract |
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイへの適用が始まった酸化物半導体アモルファスIn-Ga-Zn-O(a-IGZO)薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を、研究代表者が考案した回転マグネットスパッタ技術を用いて作成した。成膜時に成膜表面に照射される希ガスイオン等のプラズマ条件とa-IGZO薄膜特性・TFT特性との関連を明らかにするとともに、大型ガラス基板に高性能TFTを均一に実現するためのTFT製作技術を確立することを目的としている。回転マグネットスパッタ装置においては、大型基板成膜への展開可能な矩形ターゲットを二つ並べたACスパッタ法を採用した。今年度はa-IGZO TFTのキャリア移動度と関連のあるキャリア寿命の面内分布の評価を行った。その結果、回転マグネットスパッタを用いた場合、従来型のマグネトロンスパッタに比べてより広い領域でキャリア寿命が長く、同時に均一性に優れていることを見いだした。これが、動くプラズマループにより時間平均で均一な成膜及びプラズマ照射を実現したことに依ることも明らかとなり、本提案技術の従来技術に対する優位性を明らかとした。また前年度、スパッタ成膜時に従来用いられるアルゴンをキセノンに変えることでTFTの電界効果移動度が30%近く向上することを初めて見いだしていたが、キセノンはアルゴンに比べ非常に高価であるため、このままでは産業界には適用し難い。そこで、研究代表者を含む研究グループが既に開発していたキセノン回収・循環再利用システムを回転マグネットスパッタ装置に組み込み、a-IGZO TFT作成に適用した。その結果、回収・再利用したキセノンを用いて作成したTFTも、フレッシュ(未使用)なキセノンの場合と同等の性能を有することを明らかとし、キセノンスパッタの産業応用への指針を示すことができた。
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Research Products
(6 results)