2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機酸塩の生成・分解反応を用いた電子デバイスの低温接合に関する研究
Project/Area Number |
24760267
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小山 真司 群馬大学, 理工学研究科, 助教 (70414109)
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Keywords | 微細接続 / 環境材料 / 精密部品加工 / 低温接合 / 金属塩 / 有機酸 / 表面改質 |
Research Abstract |
近年、携帯電話に代表されるように、小型化される電子機器のニーズは増加しており、それを支える実装技術としてパッケージングの多様化やリード間ピッチの微細化が急速に加速しており、溶融接合法とは異なる種々の特性の得られる固相接合で、低温・低荷重で高い接続強度の得られる安価な接合法が求められているのが現状である。しかしながら各種配線材料間の固相接合を行っても、酸化皮膜が接合面に残留することで接合強度は著しく低下し、高い接続強度を有する接続部を得るには高温・高荷重が必要であることが分かった。 そこで本年度は、電子実装の今後期待される要素技術であるはんだレス接合、すなわち直接固相接合について検討を進めた。対象とする接続部をCu/Cu、Al/Al、Al/CuおよびAl合金/SUS304とし、それぞれの組合せにおいて有機酸塩の種類と生成処理の最適化、さらにFT-IR、XPSおよびDSCなどを用いて分解反応過程の化学的解明を実施した。 その結果、どの材料間の接続部においても、有機酸塩の種類は接続強度に大きく影響し、金属塩生成処理の最適化によって金属塩生成処理を施さなかった場合に比べ接続部の接続強度は大きく向上することが分かった。また各種化学分析の結果、金属塩被膜の生成と接合中の分解反応が接続強度の向上に寄与していることが分かった。 これらの低温接合技術は、接続部の微細化の歩留まりを解消する工法として期待されると同時に、宇宙航空機器などの高い信頼性が要求される接続部への適用など、要素技術として期待される。
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