2012 Fiscal Year Research-status Report
高時間応答撮像素子による真空管レス・ストリークカメラに関する研究
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24760275
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
安富 啓太 静岡大学, 電子工学研究所, 助教 (50621661)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ストリークカメラ / 時間分解型イメージセンサ / CMOSイメージセンサ / 高速撮像 |
Research Abstract |
本研究の目的は、超高速時間応答DOM(排出制御型電荷変調)素子によって、真空管を用いずにストリークカメラを実現することである。本研究目的の達成には、50 ピコ秒の超高速応答速度を持つDOM 素子、極短時間パルスの生成と高速走査のための遅延回路に基づく走査回路が必要不可欠である。平成24年度の前半でデバイスシミュレータにより超高速応答DOM素子の最適化と、回路シミュレータによる遅延回路ベースの走査回路の検討を行った。後半では、これらの結果に基づいて実際にデバイス設計・試作を行った。 DOMの単位素子を小面積とし、複数個配置するサブピクセル方式では、感度を保ちながら高速応答が得られる。実際に50ピコ秒以下の応答が得られることがシミュレーションにより明らかとなった。本研究のポイントとなる遅延回路に基づく走査回路および短パルス生成回路の設計を行った。その結果、128(H:メモリ長)X30(V)の画素アレイで、260ピコ秒の短パルス波形を生成することを回路シミュレーションにより確認した。これらの検討に基づき、0.11umCMOSイメージセンサプロセスでの試作を行った。今後は試作したチップの評価を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実施計画では、前半に(1)サブピクセル方式を用いた超高速応答DOM素子、(2)遅延回路に基づく高速走査回路の回路・デバイスシミュレーションによる検討を行い、後半には前半の検討に基づき、チップ試作を行う予定であった。 予定通り、平成24年度中に設計を終え、試作チップの入手に至っており、おおむね予定通りに研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度では、試作したイメージセンサの基本特性を評価する。基本特性の評価の項目としては、通常のCMOSイメージセンサの評価と同様に、光に対する出力特性、感度、暗時雑音特性を測定する。上記のイメージセンサとしての評価に加え、遅延回路ベースのパルス生成回路を評価し、時間分解型イメージセンサとしての時間分解能を測定する。本測定には短時間(ピコ秒)パルスレーザーを用いて、パルス波形を捉えるといった測定方法を考えている。 続いて、シリンドリカルレンズ等の光学部品を購入し、本研究で提案するストリークカメラの光学系を構築し、実際のストリーク画像の取得を試みる。測定対象としては、短時間パルスレーザーの波形観測を考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の主な購入物品は、センサを評価するための周辺機器(カメラリンクカード等)およびストリークカメラシステムのための光学部品(レンズやミラーなど)の購入を予定している。なお、平成24年度はイメージセンサの試作費用等が低く抑えられたため、チップの性能向上のための解析費用やマスク修正などの再試作費用の計上も考慮に入れている。
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