2012 Fiscal Year Research-status Report
植物の動的活動観察可能なイオン濃度・水分量同時計測センサ開発
Project/Area Number |
24760277
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
二川 雅登 豊橋技術科学大学, テーラーメイド・バトンゾーン教育推進本部, 特任助教 (90607871)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 位相 / インピーダンス / イオン濃度 / 水分量 / 土壌 / 精密農業 |
Research Abstract |
本研究は、土壌水分量の影響を受けないイオン濃度センサの製作を目指している。そして、このセンサとこれまでの研究成果である電気伝導度センサとを集積化し、イオン濃度に影響を受けない土壌水分量センサを実現することを目的としている。 構築したモデルを基にして、研究初年度となる平成24年度では市販の棒電極を用いた周波数応答特性を計測した。土壌からイオンが溶解することで実験条件が乱されることを避けるため、人工培地であるバーミキュライトを使って水分量依存の実験を行った。また、イオン濃度変化の実験を行うため、安定して溶解する塩化ナトリウム(食塩)を用いて実施した。水だけの場合(水分100%)でイオン濃度を変化させた場合、イオン濃度一定の水と土壌を混ぜ合わせ水分量を変化させた場合など様々な実験対象を準備し計測を行った。その結果、印加電圧と計測電流の位相差が45度となる周波数を観察したところ、イオン濃度一定で水分量を100%、80%などと変化させた場合、位相が45度で変化しないことを確認した。また、水分量一定でイオン濃度を50 mS/m、500 mS/mなどと変化させた場合、位相が-45度から-80度などと変化することを確認した。これらのことから、モデルから立てた計測原理が正しいことが証明でき、センサ実現への道筋をたてることができた。 また、センサ製作に向けた設計を行った。センシングエリアの面積と電極間隔が計測範囲に影響し、対象物の寄生インピーダンスが変化することを実験、シミュレーションの両方から確認を行い、センサ形状、センササイズなどへ反映させた。現在は、計画を前倒しですすめ、センサ製作に着手しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の実施予定であった、提案モデルの実証実験、及びセンサ形状の設計は予定通り完了している。また、平成25年度の予定であったセンサ製作について前倒しで着手しており、計画以上の達成度となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
製作中のセンサを完成させ、小型センサでの水分量、イオン濃度依存性試験をおこなっていく。この時、センサ表面の状態(親水性or 疎水性)が計測にどのような影響を与えるのかを確認する。また、製作したセンサを農業現場に持ち込み、センサの分解能や計測範囲についての評価を行っていく。これらの結果を踏まえ、必要により再設計、再試作を実施していく。 上記内容と平行に、農業や防災分野で継続的に測定できるよう、小型計測回路の検討を開始していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度はセンサチップの製作、及び計測に主眼を置く。そのため、センサ製作のための材料の調達、計測のための電子部品の調達を実施していく。また、農業現場での計測を行うため、共同研究先の施設に都度訪問し、センサに必要とされる性能の評価・知見を得ることとする。
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Research Products
(6 results)