2013 Fiscal Year Annual Research Report
放射光直接エッチングを用いた短ミリ波帯テフロン導波管回路の開発
Project/Area Number |
24760282
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
岸原 充佳 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (50336905)
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Keywords | X線リソグラフィ / 放射光 / 短ミリ波 / テフロン導波管 / スパッタ蒸着 / 導波管フィルタ |
Research Abstract |
本研究では,サブミリ波領域(300 GHz~)へ直接応用できる構成技術の確立を行うことを目的に,放射光直接エッチング法で微細テフロン構造体を形成し,その表面に金属膜を蒸着させることにより短ミリ波帯(G帯,140-220 GHz)の導波管コンポーネントを試作・評価した.試作は,TE10モードのみがG帯で伝搬可能となるように,比誘電率2.04のテフロンが充填された導波管寸法0.90mm×0.40mmを用いて行った. 25年度は,24年度中に作製した直線およびマイターベンドの伝送損失を再評価するため,長さの異なる直線導波管を5種類12個作製し,それぞれのミリ波伝送量をDC電圧としてG帯デテクタで測定した.これら測定値から最小二乗法による近似直線を求め,測定系の特性を基準としたG帯テフロン導波管の伝送損失の評価を行い,0.0317 dB/mmを得た. また,同様の製作方法で,中心周波数180GHzの5段および3段アイリス結合テフロン導波管バンドパスフィルタを試作した.通過帯域下限179.0 GHz,上限181.0 GHz,帯域外175.0 GHzで50 dBの減衰を仮定した設計を行い,アイリス厚については,放射光エッチングとスパッタ蒸着のプロセスを考慮して0.2mmと0.1mmの2種類を検討した.試作フィルタの伝送量測定を行い,その結果は中心周波数が低い方へ4 GHz (180 GHzに対し2.2 %,5段),5 GHz (2.8 %,3段)程移動し,通過帯域幅が広がる等の劣化が見られたが,フィルタの通過特性を確認することができ,本製作プロセスの短ミリ波帯での有効性を示すことができた.
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