2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24760288
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 雄一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10547029)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 画像符号化 / コンテンツ考慮型拡縮 / wavelet |
Research Abstract |
平成24年度は,コンテンツ考慮型拡縮 (content-aware resizing: CAR) を用いた画像符号化において,ROI (Region-Of-Intetrest) 外の領域 (non-ROI) を効率的に符号化する手法に関して主に研究を行った.具体的には以下の2点のアプローチを用いた. 1) CARを行う際,我々がこれまで提案してきた rate-dependent seam carving を利用することでCARの性能を保ちつつ,必要なサイド情報(受信側へと伝送される)の符号量を抑えた. 2) CARによって取り除かれた領域(すなわち,non-ROI)の画素を効率的に伝送するため,それらの画素をリフティングを用いたwaveletハイパスフィルタにより変換した.更に,その高周波数成分をROIをwavelet変換して得られた多重解像度画像と親子関係を構築し,画像符号化を行った.その際,著名なwaveletに基づく画像符号化手法であるSPIHTを利用し,その親子関係の一般化として画像符号化手法を実現した. 結果として,従来のSPIHTと比較し,概ね10%程度のビットレート増加でCAR機能が統合できることを示した.また,CARに関しては,サイド情報の符号化を考慮していないCAR手法である seam carving と遜色ない性能を示しつつ,必要なサイド情報の符号量を数十分の一~数百分の一へ減少できることも明らかになった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,non-ROIを効率的に符号化する手法に関して解決したことで本研究は順調に進展していると考えている.また,平成24年度においては,non-ROIの符号化に関して,分散動画像符号化を利用したシステムと,【研究実績の概要】で述べたようなwavelet変換に基づくシステムの双方の検討を行った.結果として双方とも符号化性能向上を達成したが,wavelet変換に基づくシステムの方がより復号側の計算負荷が低いことを実験的に確認している.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,研究を進めていく中で明らかになったメッシュを用いたCARとグラフ信号処理の理論的相似性に関して詳細な検討を行なっていく.メッシュを用いたCARは,現在コンピュータビジョンで主流になっているCAR手法であり,平成24年度での研究に利用した rate-dependent seam carving とは性質が異なる.また,グラフ信号処理は近年新しく研究が発展している hot topic であり,特にメッシュを用いたCARと深い理論的な関係があると思われる.そこで,当初交付申請書にあった動画像のためのCAR符号化手法の検討と同時に,CARとグラフ信号処理の関連性に関しても研究を進めていくことを予定している.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は着任初年度だったこともあり,計算機等の設置場所が早急に確保できなかったため,本研究においては理論的な検討を中心に行った.その関係で次年度使用額が生じた.本年度は動画像処理を含む,計算性能が必要な処理を行うことを予定しており,(当初案では24年度で購入予定の)計算機等を次年度使用額で購入予定である.また,25年度の研究費は,ソフトウェアや画質評価用機器,さらに研究成果発表に用いることを予定している. 【物品費】画像処理用の高性能計算機に主に使用する. 【消耗品費】方式検討・アルゴリズム開発やシミュレーションを行なうために必要な映像処理ソフトウェアの購入やPC関連消耗品及び画質評価用機器などの購入に充てる. 【旅費】主として代表者の研究成果発表に利用する.
|
Research Products
(11 results)