2013 Fiscal Year Annual Research Report
建設的干渉を用いた低消費電力無線センサネットワーク基盤技術に関する研究
Project/Area Number |
24760289
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 誠 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (20615257)
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Keywords | センサネットワーク / 同時送信技術 / 省電力 / 橋梁モニタリング / 農場モニタリング |
Research Abstract |
本研究では,建設的干渉フラッディングに基づく,低消費電力・低遅延・高信頼な無線センサネットワーク基盤技術について検討した.平成25年度は,平成24年度の検討をさらに推し進めるとともに,構造モニタリングで必須となる高スループット化や,同期サンプリング技術について開発するとともに,250台のセンサノードを利用した実証実験を行った. 1. 建設的干渉現象の理論的解析 建設的干渉現象の利用は,これまで2.4GHzのIEEE 802.15.4のみに限られていた.他の無線通信規格においても,本現象を利用することで,マルチホップネットワークの効率化が見込まれる.これに向け,特に,920MHzのIEEE 802.15.4gを対象とし,複数の端末が同時に送信する状況をGnuRadioを用いてシミュレーション評価を行った.IEEE802.15.4gではシンボルレートが低いことから,キャリアオフセットの影響が相対的に大きく変調指数が0.5の場合には性能劣化が著しい.これに対して,変調指数を1.5程度にまで高めることにより,20kHz程度のキャリアオフセット存在下でもパケットロスの増大を抑えることが可能であることを明らかにした. 2. 建設的干渉利用型ネットワーク基盤技術の開発および実証実験 平成24年度に開発したネットワーク基盤技術を利用して,実利用において必須となるノード管理機構の開発,高スループット対応のためのスロットスケジューリング機構の改善,同期サンプリング機構の開発を行った.スループットは5ホップ程度の環境で1KB/sを,同期サンプリング機構では約50us程度の精度を確保できた.また,キャンパス内に250台のセンサを設置し,大規模ネットワーク構築時の本機構の有効性を検証した.さらに,品川区のかもめ橋に本機構を備えたセンサを設置し,実際に構造解析に利用可能であることを示した.
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Research Products
(5 results)