2012 Fiscal Year Research-status Report
凸解析・情報幾何に基づくスパース信号処理とその応用
Project/Area Number |
24760292
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
湯川 正裕 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60462743)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スパース最適化 / Lp準ノルム / OMP法 |
Research Abstract |
24年度は,Lp準ノルム(ベクトルの各成分の絶対値のp乗和のp乗根)に基づく2種類の問題を検討し,その本質的な違いを明らかにした.(i) Lp制約問題(以下,問題(P1)と呼ぶ): Lp準ノルムが与えられた定数以下になるという条件の下で二乗誤差を最小化する問題,(ii) Lp正則化問題(以下,問題(P2)と呼ぶ):「二乗誤差」+「Lp準ノルムの定数倍」で定義されるコスト関数を最小化する問題.まず,(P1) において制約を緩めていったときの大域的最小解軌道が原点において連続であること,また一方で,(P2) において正則化の強さを緩めていったときの大域的最小解軌道が原点において不連続であることを示し,これら2つの問題を明確に区別する必要があることを明らかにした.次に,2つの問題の局所最適性に関する必要十分条件を与え,問題(P1)では,問題(P2)より弱い条件で局所最適性が満たされることを明らかにし,その具体例を与えた.さらに,原点から最小2乗解への連続な軌道を得るために問題(P1),(P2)の臨界点を考えた場合,臨界点全体の集合が(P1)と(P2)で一致することを示し,そのパスが連続で区分的に滑らかな曲線で与えられることを示した.また,一般化ミンコフスキー勾配を定義し,臨界点軌道との関係を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画に記載した内容の検討は済んでおり,情報理論の国際会議ISIT2012(MIT, ケンブリッジ)で発表済である他, 国際学術雑誌IEEE Transactions on Information Theory への投稿準備もほぼ完了し,近日中に投稿予定である. また,第2年度のOMP法との関連についても既に検討が終わっている. 現在は近似アルゴリズムの構築に向けて検討を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画のとおり,順調に研究が進んでいるため,基本的には計画どおり進めていく予定である.スパース性を用いた適応アルゴリズムについて,本研究で得られた知見を利用して効率的な手法を導出し,研究成果発表を行なう予定である. 申請する時点で予定していたノート型パソコン,Matlabライセンス等が他の研究で用いているものを使用できる状況になったため,その分を研究成果発表のための旅費として使用することを念頭に入れて現在,研究を進めている.この計画変更により,当初の計画以上の研究成果が得られる予定である.具体的な使用計画を下欄に示す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
以下,25年度の研究費使用計画を記す. 設備備品費:ノート型パソコン(Panasonic)250,000円,消耗品:プリンタトナー 40,000円,書籍 100,000円,国内旅費:信号処理シンポジウム(11月下関)申請者分+学生4名分:420,000円,電子情報通信学会ソサイエティ大会(9月福岡)申請者分:90,000円,国際会議 ICASSP(5月カナダ)申請者分 320,000円,Asilomar(11月米国) 学生分 250,000円,その他:ICASSP登録料:80,000円,合計:1,550,000円 (国内旅費小計510,000円と研究計画調書に記載した金額260,000円の差分250,000円が24年度から25年度への繰越額253,449円に概ね,相当する.)
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