2015 Fiscal Year Annual Research Report
凸解析・情報幾何に基づくスパース信号処理とその応用
Project/Area Number |
24760292
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
湯川 正裕 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (60462743)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スパース最適化 / 非線形適応信号処理 / 凸射影 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、スパース最適化の知見を非線形適応信号処理に応用した再生核適応フィルタの新しいアルゴリズムを提案し、その有効性を実証した。その成果の一部を簡潔に述べる。提案法は、部分空間に沿った射影、フィルタ係数の選択的更新、並列射影の3つのアイデアに基づいて構築されている。部分空間に沿った射影を用いることで、スパース化の結果として得られる低次元部分空間において効率的に適応フィルタを学習させることが可能となる。フィルタ係数をコヒーレンス基準に基づいて選択的に更新し、並列射影によって過去に得られたデータも同時に利用して更新方向を決定することによって、少ない計算量で高速な収束特性を得ることができる。提案法の有効性を裏付ける理論的根拠として、適応射影劣勾配法に基づく収束解析を与えることに成功した。提案法は、Chen らによって提案された Quantized kernel least mean square (QKLMS) 法とDoddらによって提案された Sparse sequential (SS) 法を特別な場合として含む一般的な手法となっている。計算機シミュレーションにより、再生核適応フィルタの最新の手法に対する提案法の利点を明らかにした。本成果は,信号処理分野のトップジャーナル IEEE Transactions on Signal Processing 2015年8月号に掲載されている。
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