2012 Fiscal Year Research-status Report
MIMO技術を用いた大容量無線メッシュネットワーク
Project/Area Number |
24760296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡田 啓 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (50324463)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 無線メッシュネットワーク / MIMO / スマートグリッド / スマートコミュニティ / 無線LAN |
Research Abstract |
本研究ではMIMO技術を用いた大容量無線メッシュネットワークの実現に向け,「MIMOメッシュネットワークのための送信レート制御」と「マルチユーザMIMOを用いた無線メッシュネットワーク」の二つのサブテーマに取り組んでいる. 「MIMOメッシュネットワークのための送信レート制御」に関し,平成24年度は,MIMOメッシュネットワークにおける通信路の基本特性を得ることを目標に,送信レート,送信ストリーム数を変えながら,受信信号強度(RSSI: Received Signal Strength Indicator),スループットを測定した.そして,測定データを分析することでこれらの関係性を評価した.その結果,2.4GHz帯,5GHz帯の両方においてRSSIとスループットに正の相関を持ち,ある程度大きなRSSIの変動とともにスループットを最大にする最適レートが変化する傾向があることが分かった. また,「マルチユーザMIMOを用いた無線メッシュネットワーク」に関し,平成24年度はマルチユーザMIMO (MU-MIMO)を用いた無線メッシュネットワークの基礎評価を行なった.まずは,送信タイミングによってMU-MIMOを行う組を変え,送信ノードが複数の受信ノードに対してMU-MIMO伝送を行うシステムを提案した.そして各ノードの送信キューに蓄えられているパケットの数を状態としたマルコフモデルで表し,理論解析によりMU-MIMOの性能を導出した.その結果,キューサイズが隣接ノード数に対してあまり大きくない条件でMU-MIMO の改善度が大きく,MU-MIMO は無線メッシュネットワークの性能向上に優れていることが分かった.また,従来のシングルユーザMIMO (SU-MIMO) とMU-MIMO での隠れ端末からのパケット衝突の影響は同じであることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請段階における平成24年度の目標は,「MIMOメッシュネットワークのための送信レート制御」に関してはMIMO メッシュネットワークにおける通信路の基本特性を得ることであり,研究実績の概要に述べたようにこの目標は達成できている.また,「マルチユーザMIMOを用いた無線メッシュネットワーク」に関しては,MU-MIMO を用いた無線メッシュネットワークの基礎評価が平成24年度の目標であり,これについても理論解析により基礎評価を行っており,目標は達成できている. 研究期間が3年であることを考慮すると,研究全体のうちの1/3の達成度であり,本研究課題はおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
「MIMOメッシュネットワークのための送信レート制御」に関し,平成25年度は,前年度の測定結果を基にMIMOメッシュネットワークのための送信レート制御方式を考案する.MIMOの最大の特徴は複数のストリームを同時に伝送できることであるが,通信路の状態に合わせて伝送するストリーム数を適切に選択する必要がある.これに加え,従来のIEEE 802.11a/b/gのように,変調方式,誤り訂正符号の符号化率により送信レートが決まる.無線メッシュネットワークではノードは固定設置されるため,通信路状態の時間変動が少ない.そこで,通信路状態が変わらない間はある最適な送信レートを用い,通信路状態が変化した場合に新たに最適な送信レートを探索する半固定レート方式を採用する.このとき,アンテナごとのRSSIの変化を観測することで通信路状態の変化を検出する手法を提案する.提案手法を実験により性能を評価する.まずは他の要因により特性に影響が出にくいよう,一組の送受信ノードを用いたシングルホップ環境で実験を行う. また,「マルチユーザMIMOを用いた無線メッシュネットワーク」に関し,平成25年度は,単一のノードに着目するのではなく,これを拡張してネットワークに複数のノードが存在することを想定して,MU-MIMOの性能を解析により求める.無線メッシュネットワークでは隠れ端末問題により,受信ノードにおいて他の送信ノードからのパケットと衝突が発生してしまう.MU-MIMOでは複数の受信ノードが存在するため,この隠れ端末問題による影響が大きくなる可能性がある.このことを考慮した性能評価手法の提案,およびそれによりMU-MIMOが無線メッシュネットワークで有効であるかどうかを検証する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「MIMOメッシュネットワークのための送信レート制御」に関しては,昨年度購入した無線ノード機器を利用して検討を進める.無線ノード機器を設備備品費で追加購入することで,評価に用いる無線メッシュネットワークの規模を大きくする. 「マルチユーザMIMOを用いた無線メッシュネットワーク」では,現実的なネットワークモデルでの性能を評価するために,既存設備である SNT 社製ネットワークシミュレーションソフトウェアQualNet を使用する. 国内外を問わず,研究成果を積極的に発表するため,国内旅費,外国旅費,および研究成果発表費用を計上する.
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