2013 Fiscal Year Research-status Report
移動時を考慮した高速・高信頼性の光無線通信方式の実現
Project/Area Number |
24760301
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松元 隆博 山口大学, 大学評価室, 准教授 (10304495)
|
Keywords | 光無線通信 / 光軸ずれ / スペクトル拡散 / 光ZCZ符号 / ZCZ-CDMA方式 / マッチドフィルタ / FPGA / LED |
Research Abstract |
本研究では,受信機が移動していないときはもちろんのこと,移動しているときであっても,高速かつ,信頼性のある光無線通信方式の実現を目指す.具体的には,送信機には複数の送信素子(LED)を,受信機にも複数の受信素子(APD)を使用し,受信した信号の合成や2次元,または3次元に拡張した擬似雑音系列の適用等によって,受信機の移動時に,ある一つの受信素子(APD)で信号が受信出来なかった場合でも周りの受信素子(APD)の信号を利用して,ビット誤り率を低く抑える光無線通信方式を実現する.その際,送受信間で光軸ずれの問題が起こるが,それに対しては隣り合う送信素子(LED)からの干渉を抑圧できる擬似雑音系列を適用することで解決する. 平成25年度は,複数の受信素子(APD)によって得られた受信信号を合成することによって,ビット誤り率を低く抑える光無線通信方式を提案した.またその有効性を確認するために,前年度試作した複数の送信素子(LED),受信素子(APD)を備えた送受信機に,提案する光無線通信方式のベースバンド処理部を送受信機内のFPGA上に構成し,静止時での伝送実験を行った.それに加えて計算機シミュレーション及び,理論解析を行った.理論的,実験的検証によって,提案する光無線通信方式は受信素子(APD)の増加によってビット誤り率特性を向上できることを明らかにした.また,複数の送信素子(LED)から別々の信号を送信した場合でもそれによる干渉を抑圧できることを明らかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度までの研究によって,複数の送信素子(LED)と受信素子(APD)から構成される送受信機に,提案する光無線通信方式を実装し,静止時におけるビット誤り率特性の理論的、実験的評価まで行ったので.概ね予定通りに研究は進んでいる.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度までの研究で,静止時における複数の受信素子(APD)を利用した光無線通信方式の評価まで終了したので,平成26年度は移動時での実験系の検討とその試作を行い,実験によって,移動時の通信路の特性解析を行う.また,その結果を考慮した通信方式の改善を行い,その通信方式をFPGAを用いて試作する予定である.また,その実験系の検討及び試作を技術専門職員1名と学部生2名を含めた4名で実施する予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は,海外開催の国際会議での複数の発表を予定していたが、代わりに国内開催の国際会議で発表を行ったので、旅費支出が予定より少なかった. 平成26年度は,伝送実験を通して送受信機の改良の必要性が明らかになったので,電子部品等の支出に使用する.また,ジャーナル,国際会議等の研究成果の公表を積極的に行う.
|
Research Products
(21 results)