2013 Fiscal Year Annual Research Report
静電気試験機からの気中放電に伴って発生する電磁界の厳しさ評価指標の確立
Project/Area Number |
24760306
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
森 育子 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20455140)
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Keywords | 静電気放電 / イミュニティ / 静電気試験機 |
Research Abstract |
帯電人体からの静電気放電(Electrostatic discharge )は広帯域な過渡電磁雑音を伴うため,電子機器にとって脅威であることから,国際電気標準会議(IEC: International Electrotechnical Commission)では帯電人体からのESDを模擬した静電気試験機による電子機器のESDに対するイミュニティ(immunity)試験を定めており,電子機器はその試験をクリアすることが求められている.同試験では静電気試験機からの放電電流注入法2種(接触・気中放電)と放電対象の違いによる試験法2種(直接・間接放電試験)が示されているが,それらの試験法の厳しさに関しては言及されていない.本研究は,イミュニティ試験の厳しさの評価法を確立を目的とする. 昨年度は主に,静電気試験機の放電時のパワーおよびエネルギーを,放電電流測定波形と等価回路モデルから推定した放電時の電位軽度とから推定し,両者はそれぞれ充電電圧の1.7乗と2.1乗に比例して増大することを示した. 本年度は,静電気試験機の間接放電試験の特性把握を目的として,供試機器をおいた状態での垂直および水平結合版への接触放電を行った.先行研究では,垂直結合版への接触放電の際に,静電気試験機の放電電極先端部と水鳥結合版との接触部において多重放電が発生していることが報告されていたが,本研究では,水平結合版への接触放電においても同様に多重放電が発生しているとみられることがわかった.同時に,垂直結合版への放電時の垂直および水平の両結合版の電位の時間変化の同時測定により,垂直結合版への放電時には水平結合版へ電圧が誘導されていることがわかった.垂直・水平結合版への両試験法のどちらがより厳しい試験になり得るかは,両者からの放射電磁界がどのように供試機器と電磁的に結合するかの検討が必要であり,今後の課題となる.
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