2013 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導ジョセフソン接合を用いた汎用高性能テラヘルツ波検出器
Project/Area Number |
24760313
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山田 博信 山形大学, 理工学研究科, 助教 (50400411)
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Keywords | テラヘルツ波 / 検出器 / ジョセフソン接合 / スロットダイポールアンテナ / 高温超伝導体 |
Research Abstract |
平成25年度は,平成24年度に行った設計周波数220 GHzの1波長スロットダイポールアンテナ(SDA)を集積したジョセフソン接合(JJ)テラヘルツ波検出器の作製で得られた知見を基にして,設計周波数750 GHzおよび900 GHzの検出器を作製し,高周波照射時の電流‐電圧(I-V)特性を測定した。 検出器は次のようにして作製した。始めに,Au(50 nm)/YBa2Cu3O7-δ(YBCO,100 nm)/双結晶MgO(0.5 mm)の薄膜を用いて幅5 μmのJJマイクロブリッジと電極を作製した。次に,絶縁性のベンゾシクロブテン(BCB)層(2.5 μm)を作製した。そして,Au層(200 nm)を作製した後,ArイオンエッチングによりSDA(スロット長さ210 μm(750 GHz),170 μm(900 GHz);スロット幅20 μm)を作製した。それから,ブリッジ幅を2 μm程度までトリミング加工して,接合特性の調整を行った。作製した検出器は冷凍機により30 K程度まで冷却し,その後後進波管発振器(700-830 GHz)を用いて高周波を照射してI-V特性を測定した。 750 THz用および900 GHz用の検出器に735 GHzの高周波を照射したところ,いずれの検出器においてもJJ特有のステップ状の変化(シャピロステップ)が観察されたことから,作製した検出器が動作していることが確認できた。また,750 GHz用検出器については720-800 GHzの範囲にわたって高周波の検出ができることを確認した。
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