2014 Fiscal Year Annual Research Report
ふく射輸送方程式逆問題の高空間分解能解法による光を用いた乳がん検診技術の開発
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24760314
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
大川 晋平 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 助教 (20432049)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 画像再構成 / 光生体計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,乳がんの高精度で定量的な診断や治療効果の検証への応用を目指し,生体組織による光(特に近赤外波長)の吸収と散乱の度合いを表す光学特性値分布を高空間分解能で画像化するアルゴリズムと光測定系を含む計測システムを構築し,評価することを目的とした.この計測システムは皮膚表面で生体に光を照射してCCDカメラで撮影した画像から,空間分解能を向上するアルゴリズムにより逆問題を解いて生体内の光伝播モデル(ふく射輸送方程式)のパラメータ(吸収・散乱係数)の空間的な分布を画像化する.生体を模擬した試料を使用して計測システムの評価を行おうとするものである.生体内の光伝播を記述するふく射輸送方程式の有限要素法による数値計算プログラムを作成したが,正確な計算を行うために計算に時間がかかるなどの問題があり,実際の画像再構成に使用することはまだ難しい.最終年度においてはふく射輸送方程式の新しい数値解法について検討を進め一定の成果を得た.また,ふく射輸送方程式を効果的に近似する拡散方程式を用いた逆問題解法を応用して,蛍光イメージングや光音響イメージングに関する研究成果を報告した.蛍光イメージングにおいては,生体内の光伝播が拡散的であることに起因して,生体内の蛍光物質の分布を高空間分解能で画像化することが困難であるが,正則化を工夫することによって生体内に局在化した蛍光物質の分布画像のぼやけを軽減することができることを示した.また,光音響イメージングにおいても,正則化によってノイズの影響を軽減して,頑健な画像再構成ができることを報告した.また,光拡散方程式を用いるなどの近似が光音響画像再構成に与える影響についても調査し,報告した.
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Research Products
(6 results)