2013 Fiscal Year Annual Research Report
筋面積測定を目的とする3次元位置センサを用いたマルチスキャン超音波システムの開発
Project/Area Number |
24760315
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
福元 清剛 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60600129)
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Keywords | 超音波 / 筋横断面積 / 高齢者 / ポジションセンサ / フィールド計測 |
Research Abstract |
筋横断面積(以下,筋面積)はヒトの生活動作能力やリハビリテーションの効果などを客観的に評価する上で有用な指標である.しかし,筋面積を測定するにはMRIやX線CTといった専門的かつ可搬性のない大型装置を用いる必要があり,高齢者や要介護者を対象とする測定には不向きである.そこで本研究では,被測定者の姿勢や身体的制限に影響されることなく,筋横断面画像を測定できるシステムを開発することを目的とする.本システムでは,超音波探触子をT字型の固定具中央に設置し,探触子を被計測者の皮膚に直接接触させながら走査して横断面画像を複数枚撮影する.さらに,固定具両端には6自由度のポジションセンサがそれぞれ取り付けられており,センサからの情報を基に得られる探触子先端部の座標および回転角に応じて,超音波画像を合成し,1枚の横断面画像を取得する. 最終年度においては,開発したシステムの精度およびフィールド計測における有用性を検証した.フィールド計測では,システムを研究室外に持ち出し,地方の公民館や要介護者宅を想定して筋横断面画像の測定を実施した.被験者は高齢者13名(男性:10名,女性3名,平均年齢68.0±3.7歳)であり,各被験者の右大腿部および右下腿部を,立位および仰臥位の姿勢で測定した.いずれの被験者においても,各部位の横断面画像を取得することができた.また,測定後に実施したアンケート調査から,測定時に苦痛や不快感が生じた被験者はいなかったことが分かった.以上の実験結果から,本システムはフィールド計測に有用であり,筋面積測定法の一つとして用いることができると考えられる. なお現在は,本研究ならびにこれに関連する内容の論文を執筆中であり,今年度中に投稿予定である.また,今回の研究で達成できなかった要介護者の測定を実施し,システムの有用性をより向上させていく予定である.
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