2013 Fiscal Year Annual Research Report
安全な水素ガス漏洩検出を実現するヘテロコア光ファイバセンサの研究
Project/Area Number |
24760328
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
西山 道子 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 航空本部, 宇宙航空プロジェクト研究員 (60509769)
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Keywords | 光ファイバセンサ / 水素検出 / 表面プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
表面プラズモン共鳴を利用したヘテロコア光ファイバ水素センサについて、水素検出の感受性膜としてパラジウムを利用し、その水素吸蔵に伴う誘電関数の変化を表面プラズモン共鳴を利用して捉えるために、金、五酸化タンタルを利用し、これまでに水素ガス0~4%vol.に対する応答を確認している。感度は窒素雰囲気中に晒したときを基準として、水素窒素混合ガス雰囲気中に晒したときの表面プラズモン共鳴の共鳴波長シフト量、またある波長に着目したときの光強度の変動量で定義し、その感度は、パラジウムの膜厚が厚くなると向上し、応答速度は膜厚が薄くなると改善するという結果を得ている。五酸化タンタルは、表面プラズモン共鳴の共鳴波長を長波長側にシフトさせる役割を持ち、その調整とあわせて、波長850nmにおいて、光強度の変化の感度を確認した。さらに、水素検出の応答速度を改善するために、これまで得られている知見の三層多層膜の構成に、熱処理を与えることで膜の状態を変化させた。熱処理を加えた膜の表面状態を観察すると、水素吸蔵に伴いクラックが多く発生し、水素吸蔵放出を促進することになると考えられる。この熱処理を加えた膜における実験結果から、水素検出の光損失感度を熱処理前の状態を維持しながらも水素検出、放出の応答時間を短くできることを確認した。本センサを実用的に利用するためには、膜の耐久性、耐環境性能を高め、また多点計測が可能な構成にすることが求められる。多点計測の構成としては、センサを端面反射する形状にし、光ファイバ1ラインにセンサを複数点接続しても後段のセンサに影響がないように接続する形態を考案している。
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