2012 Fiscal Year Research-status Report
微分可制御性に基づく線形周期システムの解析アルゴリズム
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24760333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
軸屋 一郎 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90345918)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 制御工学 / 線形周期システム / システム解析 |
Research Abstract |
線形周期システムのカルマン正準分解の構成方法を導出した。筆者らは、この問題の従来研究に対する反例が示し、その修正版として入力のみをもつ線形周期システムに対するカルマン正準分解を提案してきた。今回の結果は、入力と出力の両方をもつ線形周期システムに拡張して、カルマン正準分解の存在を示した。存在を示す手法として、二通り提案しており、ひとつは行列値関数の分解法と、もうひとつはフロケ分解に基づく分解法である。両者ともにシステム理論的に意味をもつが、とくに後者のフロケ分解に基づく分解法は、行列値関数の計算を定数行列に置き換えることを可能として、数値計算との親和性が高いという利点がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フロケ分解に基づく計算手法は数値計算との親和性が比較的高く、可制御部分空間の解析とフロケ分解による解析を融合する手法となっている。これにより微分可制御性空間の構造解析に役立つと期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究での主眼である、微分可制御部分空間の解析に取り組みたい。まず微分可制御性の概念を一般化し微分可制御部分空間を定義する。これまでに得られた可制御部分空間の普遍性をヒントに、微分可制御空間の時間遷移に関する性質を調べたい。また、可制御性グラミアンの積分計算の代わりに、微分計算を用いたシンボリックな計算アルゴリズムを導出したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として、研究発表の旅費への使用を予定している。6月開催予定のAmerican Control Conferenceには採択されており、他にも国内会議への参加や各種研究会への参加を予定している。他にも、計算機環境の拡充に利用したい。
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