2014 Fiscal Year Annual Research Report
超離散力学アプローチによる非線形分布定数系に対する高精度制御法の開発
Project/Area Number |
24760339
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
甲斐 健也 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (60419471)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 離散力学 / 非線形システム / 分布定数系 / 数値計算 / 制御理論 / 非線形最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終年度にあたる平成26年度では,分布定数系に対する離散力学の構築と非線形制御理論への応用を目指し,主に以下のような研究テーマに取り組んだ. (1)制御入力項をもつ1次元分布定数系に対して,離散力学を用いて最適制御問題を定式化した.この最適制御問題は有限次元非線形最適化問題となるので,逐次2次計画法などの手法によって解くことが可能である. (2)1次元分布定数系の物理例として弦と梁を取り上げ,振動抑制制御問題に取り組んだ.制御入力を発生できる機構を弦と梁の1箇所のみに設置し,その制御入力をのみで振動を抑制するような難易度の高い問題設定を考えた.(1)で提案した最適制御問題の手法を用いて数値シミュレーションを行った結果,目標ステップにおいて弦や梁の振動が抑制されていることが確認でき,提案手法の有効性が示された. (3)これまでに行ってきた研究は1次元の分布定数系のみを対象としてきたが,膜や液面などを制御するためには,2次元への拡張が必要不可欠である.そこで,これまでに得られた研究結果を2次元の分布定数系へと拡張を行った.現段階では,2次元分布定数系に対する離散力学の構築と数値シミュレーションを行っている段階であるが,制御工学への応用を目指して,今後も継続して研究を進めていく計画である. 本研究課題によって,「分布定数系の非線形高精度制御」という難易度の高い問題に取り組み,様々な新しい知見を得ることができた.また,上記の研究結果は,国際誌・国内誌・国際学会などで発表され,対外的にも研究成果をアピールすることができた.
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