2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24760342
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
小西 克巳 工学院大学, 情報工学部, 准教授 (20339138)
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Keywords | 行列ランク最小化 / 圧縮センシング / システム同定 / 制御系設計 |
Research Abstract |
制御系設計のための行列ランク最小化問題を解く新しい手法として、iterative partial matrix shrinkage algorithm (IPMS法・繰り返し部分的行列縮退法)を導出した。行列の主要でない特異値の和(sum of non-dominant singular values)を定義し、この値を最小化する問題を解くことにより行列ランク最小化問題を解く手法である。主要でない特異値の和が0になれば、行列がフルランクでなはないため、主要でない特異値の和を最小化する問題と、行列ランク最小化問題は本質的には同じ難しさの問題である。本研究では、主要でない特異値の和の劣微分方向に行列を更新することで、この問題を解く手法を提案している。また、行列のランクが未知の場合には、行列の特異値のうち、どの特異値が主要でない特異値かを推定する必要がある。そこで、IPMS法と相性の良い行列ランクの推定手法を提案し、この推定手法とIPMS法を組み合わせることで、行列ランク最小化問題を解くアルゴリズムを構築した。数多くの数値実験により、本手法が他の手法よりも高速かつ精度高く解けることを示した。本手法は、行列のランク推定をランク1から推定していくため、特異値分解が高速、かつ、メモリ使用量が少なくて済むという特徴を持つ。これらの成果について、信号処理に関する国際的な学会誌 Signal Processing に投稿し掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画当初では、既存の手法の改良により、制御系設計およびシステム同定に有効な行列ランク最小化手法を提案する予定であったが、既存の手法を使わない新しい手法を提案することができた。よって、当初の計画以上に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は構築されたIPMS法を利用して、実践的なシステム同定問題、低次元モデルの構築問題に取り組む予定である。その際に不等式制約をうまく満たすようなアルゴリズムの修正を行う予定である。
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Research Products
(5 results)