2014 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷地におけるコンクリート構造物の塩害に対する照査基準の提案
Project/Area Number |
24760345
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 勝文 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30609748)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コンクリート / 凍害 / 塩化物イオン / 空隙構造 / 拡散係数 / 限界塩化物イオン量 / EPMA / 数値解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
積雪寒冷地におけるコンクリート構造物に対して凍結防止剤を散布する場合,凍害と塩害が複合的に作用し,構造物を劣化させることが問題となっている。しかし,凍害を受けるコンクリートへの塩化物イオンの浸透予測については明確な定義がなされておらず,検討が必要である。 凍結融解作用を受けるモルタルへの塩化物イオンの浸透性状の把握および凍結融解に伴うモルタルの細孔構造の変化と塩化物イオンの浸透性状の関係性について検討することを目的とした結果,以下の結論を得た。1)凍結融解サイクル数の増加に伴い,塩化物イオンの浸透量は増加し,浸透面から深く浸透する。2)本研究における塩化物イオンの浸透予測では,浸透面からの深さ約20mmまでの範囲において,実測値が解析値を大きく上回る。3)凍結融解サイクル数の増加に伴い, 本研究における塩化物イオン濃度の浸透予測と実際の浸透量の間に差異が生じる。 本研究では,塩化物イオンの浸透のみ考慮して拡散係数を算出した。凍害劣化による細孔構造の変化をもとに拡散係数に重みを付けるなど,供試体の性能の変化を浸透解析に適用することでより精度の高い複合劣化の浸透予測が実現できると考えられる。また,解析を行うにあたり,表面塩化物イオン濃度を浸透面上で一定であるとし,拡散係数を深さ方向で一定であるとしたが,これらに対しても,凍害劣化の度合いや組織の変質に基づいて変化をつけることが必要であると考えられる。他にも,実験のパラメータとして,結氷する氷の量や凍結融解速度などの違いによる影響を検討することで,予測の精度を高めることができると考えられる。また,実験における凍結融解サイクルと,実環境課における凍結融解作用の関係性を明確にする検討も今後の課題である。
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Research Products
(4 results)