2013 Fiscal Year Annual Research Report
ハイボリュームフライアッシュコンクリートの初期強度の改善とひび割れ抵抗性
Project/Area Number |
24760349
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉武 勇 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (10335771)
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Keywords | フライアッシュ / ひび割れ / 温度応力 / 石灰石 / 断熱温度上昇量 / 熱膨張係数 |
Research Abstract |
コンクリートの初期強度を改善することで,温度・収縮ひび割れ抵抗性を実験的に調べ,適切な配合を模索した.特に初期強度発現性が低調なHVFAコンクリートに対し,初期強度改善効果がある石灰石微粉末を添加することで,ひび割れ抵抗性の向上とひび割れ誘発因子の低減の両立を目指した材料開発(配合など)を行うことを目的とした.さらに発熱・収縮特性および初期強度特性を定式化した上で,温度応力解析による解析的検証を通じて,初期ひび割れの低減を図ったHVFAコンクリートについて検討した. 一軸引張試験結果より,ひずみから応力を換算する上で必要となるヤング係数は,一般的な(圧縮)ヤング係数を用いると,応力を仮称推定する可能性があることを示唆した.FA置換しないコンクリートに比べて,FAをセメント質量の50%置換したHVFAコンクリートの断熱温度上昇量は著しく小さく,最もセメント量(224kg/m3)の多いw/cm=0.38のHVFAコンクリートでも,終局断熱温度上昇量は38.4℃であった. さらに熱膨張係数試験を実施したところ,石灰石骨材のみを用いる本研究のHVFAコンクリートは4.6~5.2×10-6/℃と一般的な熱膨張係数10×10-6/℃に比して,約50%の値を示した. 実験結果を用いて温度応力解析を実施した.低い断熱温度上昇量・熱膨張係数を示すHVFAコンクリートでは,一般的な解析条件を用いて求めた普通コンクリート(w/cm=0.38)に比べて,温度応力を大きく低減できることが確認された.さらにひび割れ指数(引張強度/温度応力)で整理したところ,w/cmを小さくすることで,適当な強度発現性が得られ,温度ひび割れの可能性を小さくすることができた.本研究で用いた解析モデルでは,w/cm=0.45のHVFAコンクリートが初期から長期にかけて高いひび割れ抵抗性を示した.
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