2013 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッド連続繊維緊張材および緊張接着補強技術の開発
Project/Area Number |
24760352
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
岩下 健太郎 名城大学, 理工学部, 准教授 (30544738)
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Keywords | 連続繊維複合材 / 緊張接着 / コンクリート / 補強 / 付着 / 有限要素法 / 高速・クリープ荷重 / 緊張装置 |
Research Abstract |
本研究では,比較的低価格なバサルト繊維材を中心に,炭素繊維材等の他の繊維材と積層,ハイブリッドすることで,補強材の剛性や強度,靱性等の引張特性,温度適用性能等の向上を図っており,本年度までに,各種繊維材の引張試験を行い,引張特性を実験的に明確化した。このような連続繊維複合材を緊張状態でコンクリート表面に接着する補強技術の開発を進めているが,導入した緊張応力が接着端部に集中するため,接着端部の省力化および定着方法を検討することが重要となる。本研究では,接着端部に連続繊維シートを事前に接着することで,端部の接着幅を広げる方法について検討を行い,この方法により,接着端部の付着力を向上させることができることが実験的に明確となった。このとき,接着端部において剥離が懸念される界面は,連続繊維シートとコンクリートの界面になるため,この箇所での付着特性を,各種指針に示されている両引き付着試験により実験的に検証した。このとき,両引き付着試験において,静的荷重,大型地震の負荷等を想定した高速荷重,クリープ荷重(一定荷重)が負荷された場合について考慮した。 また,上記の補強方法により補強したコンクリート構造物の有限要素法による解析モデルを,汎用ソフト(DIANA)を用いて作製した。作製したモデルでRC梁の曲げ試験を再現したところ,引張試験より得られた引張特性や,両引き付着試験により得られた連続繊維複合材とコンクリートの付着挙動を考慮することで,RC梁の曲げ挙動を概ね表現できることが検証された。 さらに,連続繊維複合材の緊張に際して必要となる緊張装置の開発を進め,実際に緊張接着が可能な装置の試作を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,主に,接着端部に想定される連続繊維シートとコンクリートの接着界面の付着挙動について,各種指針に示されている両引き付着試験により実験的に検証を進めた。このとき,両引き付着試験において,静的荷重,大型地震の負荷等を想定した高速荷重,クリープ荷重(一定荷重)が負荷された場合について考慮した。これにより,重要な研究目的の一つである,接着端部に集中するせん断応力の評価と,導入可能な緊張力に関する検証を進めることができた.また,H24年度までに実施した,連続繊維複合材で補強したRC梁の曲げ試験について,有限要素法による解析モデルを,汎用ソフト(DIANA)を用いて作製した。作製したモデルでRC梁の曲げ試験を再現したところ,引張試験より得られた引張特性や,両引き付着試験により得られた連続繊維複合材とコンクリートの付着挙動を考慮することで,RC梁の曲げ挙動を概ね表現できることが検証できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,連続繊維複合材の引張特性やアルカリ耐久性に関するデータを蓄積することにより,積層ハイブリッド方法の最適化に関する検討を行う。また,より大型地震の負荷等を想定した高速荷重やクリープ荷重(一定荷重)が負荷されたケースに関する両引き付着試験の実験結果を蓄積することにより,接着端部における連続繊維複合材の定着の設計方法を提案するとともに,事前接着する連続繊維シートの積層層数を接着端部から一定間隔ごとに変化させることによる,接着端部における定着力の向上を図る。さらに,現状の緊張装置の改良を進め,スマート化を図る。
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Research Products
(6 results)