2012 Fiscal Year Research-status Report
打音検査しながら内部の健全性評価が可能な打音検査応答トモグラフィの開発
Project/Area Number |
24760355
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Research Institution | Tobishima Research Institute of Technology |
Principal Investigator |
桃木 昌平 飛島建設株式会社技術研究所, ‐, 副主任研究員 (80463579)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 打音検査 / トモグラフィ |
Research Abstract |
打音検査しながら内部の健全性も評価できる『打音検査応答トモグラフィ』の開発のために、打音信号の収録が可能な[A]レコーディングユニットの開発および[B]発信点の位置および周波数成分推定アルゴリズムの構築に着手した。 [A]レコーディングユニットはティアック(株)LX-110を購入。連続計測により一括で打音信号群を取得できるもので、計測に掛かる条件(レンジ設定等)およびデータの取捨条件(ノイズまたはレベル不足/超過データの除外)を、保有する床版試験体で取得したデータを基に明確にした. [B]発信点の位置推定に関しては、赤池情報量基準値を応用した手法により各受信点で取得された波形の初動走時を正確に読み取る計算プログラムを開発。また、セル毎に伝播速度を与えたセル分割モデルにおいて、各受信点の座標および初動走時から発信点座標および発信時刻を推定し、推定発信点から受信点までの走査線情報が整合するようセルの伝播速度を修正する新しい位置標定アルゴリズムを構築し、既往の領域内は均質と仮定するモデルでの発信位置・時刻推定手法では困難であった不均質領域(例えばひび割れや空洞などを有する領域)においても、正確な発信位置・時刻推定が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
打音信号の収録が可能となり、かつ、既往の発信点位置・時刻推定手法よりも正確で実務的な新しい発信位置・時刻推定アルゴリズムを構築できた。これにより、実構造物において、これまでよりも少ないセンサで多くの情報を取得できるハード面の整備が整った。これらは計画上においても平成24年度達成を目標としており、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ハード面の整備が整ったので、実構造物でのデータ取得にとりかかり、それらを分析して発信点の周波数成分推定のアルゴリズム構築を目指す。大型コンクリート試験体を製作予定であったが、試験体では境界による反射等の影響を大きく受けることが想定されてきたため、飛島建設技術研究所保有の大規模反力壁を利用して基礎的なデータ取得および検証を行いながら、自社現場を活用しなるべく多くの実構造物においてデータを取得し発信点の周波数成分推定アルゴリズムを構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該研究費は、打音信号を収録可能にする機能の実装またはポストプロセッサの開発費(以下改造費)、および数値計算言語MATLABの購入費などによるものである。 改造費は、レコーディングユニットLX-110Fの既存性能・設定で十分に満足できるものと判断し留保した。取得データによる検証を進める中で必要性が現れてくる場合は充当する。 数値計算言語MATLABの購入に関しては、今年度は飛島建設技術研究所保有のMATLABを用いて計算プログラムの制作検討を行った。保有するMATLABは今年度購入した制御用PCに対応していないため、当該研究費も含めた研究費で、周波数成分推定のアルゴリズム構築に要する解析ツールと併せて購入する予定としている。また、構築したアルゴリズムを実装したモジュールの制作を効率的に遂行するために、当該研究費を外注制作に充当することも検討している。
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