2013 Fiscal Year Annual Research Report
FRP板を用いたRC構造物の水中接着補強に関する接着性能向上法に関する研究
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24760356
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
栗橋 祐介 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30414189)
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Keywords | 水中構造物 / 補修・補強 / FRP / 水中硬化型接着樹脂 / RC 梁 / せん断キー / 静載荷実験 / ピーリング作用 |
Research Abstract |
河川橋脚等の水中構造物を補修・補強する場合には,構造物周辺に仮締切を構築し,施工部を予め乾燥状態にする必要がある.従って,水中構造物の耐震補強工事は陸上での補強工事に比較して膨大なコストが必要となる. そのため申請者らは,仮締切が不要で,水中での施工が可能なFRP シートにエポキシ系樹脂を含浸硬化したAFRP板を水中接着樹脂を用いて水中接着補強する工法を考案した.既往の研究では,提案の水中接着工法を用いて曲げ補強したRC 梁の静載荷実験を行っており,提案工法により RC 梁の曲げ耐力を向上可能であるものの,その補強効果は気中接着補強の場合よりも劣ることが明らかになっている. そこで,申請者らは,水中接着補強工法における接着性能改善策の提案を目的として,せん断キーを設ける力学的手法に着目し,提案工法の補強効果に及ぼすせん断キーの有無およびその配置間隔の影響を実験的に検討した.実験は,形状寸法が異なる 3 種類の RC 梁を対象とした4点曲げ載荷実験により行った. その結果,1) せん断キーがAFRP 板の付着性能向上に有効に作用する場合には,部分剥離の起点となる斜めひび割れが分散して発生する傾向にあること,2) せん断キー配置間隔が小さい場合には多くの曲げひび割れが誘発されて接着樹脂が損傷し早期の全面剥離に至りやすいこと,3) 接着性能改善のための適切なせん断キー配置間隔比は0.6~0.9 程度であること,などが明らかになった。
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