2013 Fiscal Year Research-status Report
津波による流体力と漂流物による衝突力を受けるコンクリートの動的破壊挙動の解明
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24760357
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
車谷 麻緒 茨城大学, 工学部, 准教授 (20552392)
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Keywords | 破壊シミュレーション / 損傷モデル / 鉄筋コンクリート / 津波シミュレーション / 一般化有限要素法 |
Research Abstract |
コンクリートの破壊力学を考慮した損傷モデルを定式化し,これを有限要素法に導入した簡易で高精度な破壊シミュレーション手法を構築した.その性能について,いくちかの例題に適用したところ,解析結果が解析メッシュに大きく依存しないことや,コンクリートの破壊の力学的特徴を再現可能であることを検証した.本モデルを鉄筋コンクリート部材の内部ひび割れ進展の問題に適用したところ,既往の実験で確かめられている内部ひび割れのモードを3次元で的確に再現できることを示した.鉄筋コンクリートの内部ひび割れの進展状況を3次元の数値シミュレーションで再現した例はこれまでになく,本研究で開発した手法の有効性を示すことができた.現在は,特殊な供試体を作成し,実験結果の再現性について検討を進めている. 津波の数値シミュレーションにおいて,一般化有限要素法を自由表面流れのモデル化に応用した解析手法を構築した.一般化有限要素法は要素内の境界をモデル化できる手法であり,これを自由表面流れ解析に応用した.一般化有限要素法を用いることにより,空気の相を考慮しない解析手法とした.その結果,既往の手法と比較して,計算時間を短縮することができるとともに,実用的な解析精度を有する手法であることを確認した.3次元の複雑な問題に適用したところ,少ない計算負荷で,既往の手法とほぼ同様の結果が得られることを確認した.現在は,実際の地形を考慮した問題への応用について検討を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンクリートの破壊力学を考慮した損傷モデルによる数値解析手法を開発し,学術論文に掲載された.また,一般化有限要素法を用いた自由表面流れ解析手法を構築し,その精度や効率性に関する検証を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
構造物の破壊シミュレーションに関して,鉄筋のモデル化を行い,鉄筋コンクリートの破壊をシミュレート可能にするとともに,動的問題への応用についても検討する.また,一般化有限要素法を用いた自由表面流れ解析の高度化を行い,実際の地形を考慮した解析に発展させるとともに,構造物との連成解析へと発展させる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析結果の可視化ソフトウェアとそのインストールPCを購入予定であったが,可視化ソフトの講習会に出席した特典として,教育用の簡易バージョンを入手することができたため. プログラムの高度化のためのセミナー参加費やそのための出張費などに使用する予定である.
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Research Products
(8 results)