2015 Fiscal Year Annual Research Report
都市広域対する災害避難シミュレーターの高効率化および機能拡張
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24760359
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ハイパフォーマンスコンピューティング / MPI-OpenMPハイブリッド / 学習エージェント / 津波避難 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度に主に達成したのは次の3項目である. 1. ソースコードの共有メモリ並列化及び最適化 2. ソースコードの整理と統合 3. 避難加速のための自動車の効率的な利用方法の発見を目的とした開発したシステムの実行 各項目の概要を以下に示す.京コンピュータを最大限活用するため,コードを共有メモリ並列版に拡張した.開発したハイブリッド並列システムは,より多くの京コンピュータの計算ノードの使用を可能とした.アルゴリズムも改良し実行時間を大幅に短縮した.10万のエージェントを用いた高知市域の避難シミュレーションを,京コンピュータを用い数時間で実行できた. 避難時の自動車の効率的な利用方法発見のため,モンテカルロシミュレーションを行った.エージェントが,経験の記憶を異なるケース間で引き継げるようシステムを大幅に改善した.エージェントが以前の経験を考慮した判断ができるようになり,世代ごとによりよい解を見つけることが可能となった.この高度化されたシステムを用い,歩行者と自動車を伴った石巻地域の避難シミュレーションを行った.この四年間,詳細な環境モデルと高度な機能をもったエージェントから成る避難シミュレーターを開発してきた.観察またはシミュレーションされたデータに従い環境を更新することで,津波や地震被害の影響を考慮した.京コンピュータを用いたMC法による広域都市避難シミュレーションを可能とするため,HPC技術によりシステムを高度化した.開発したシステムの妥当性を証明するため,広域都市避難シミュレーションを複数ケース実行した.今後,このシステムを,スーパーコンピュータを用いた避難計画策定のための強力なツール化に向け一層発展させたい.エージェントの学習能力改善や,リアルタイム避難誘導システムの構築を目的とした,複数ケースのMCシミュレーションの結果解析に耐えうるシステム開発を行う予定である.
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Research Products
(4 results)