2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24760361
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武川 順一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70463304)
|
Keywords | 粒子法 / 強震動予測 / 地震動シミュレーション |
Research Abstract |
近年に発生した多くの被害地震により,我が国における地震対策の重要性が再認識されてきている。本研究では,地震発生時の被害想定や復旧シミュレーションなどにおいて最も基礎的な情報となる地震動シミュレーションを,粒子法を用いて高精度化・高効率化することを目的としておこなわれた。粒子法の特徴として,従来法よりも山や谷などの地形や盆地などの局所的な低速度領域が,比較的容易に解析に組み込みやすいということが挙げられる。この特徴を活かすことにより,地震動シミュレーションをより効率的におこなえるようになると考えられる。 以上の考えに基づき,本研究では,地震の震源であるダブルカップルモデルを粒子法に組み込んだ(Takekawa et al., GJI, 2012)。この結果,粒子法により再現された結果は従来法のものと良い一致を示し,これにより,地震発生に伴う地震動を粒子法で再現することが可能となった。また,既存の粒子法にスタッガード粒子という概念を考案・導入し,手法の計算精度・安定性を大幅に改善することに成功した(Takekawa et al., PAGEOPH, 2014)。その後,より実際の地盤に近いモデルとして,山や谷といった地形を有するモデルや,盆地のような低速度領域を有するモデルに対して計算をおこない,任意の地形に対する計算精度の詳細な評価をおこなった。その結果,粒子法による計算精度は従来法である差分法よりも高い精度を示し,より効率よく,かつ,高精度に地震動伝播が計算できることが示された(Takekawa et al., GEOPHYSICS, 2014)。
|