2013 Fiscal Year Annual Research Report
橋梁付加物による橋桁の風荷重および空力振動の低減手法についての研究
Project/Area Number |
24760368
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
中藤 誠二 関東学院大学, 理工学部, 准教授 (90339789)
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Keywords | 矩形断面柱 / 相関長さ / ストローハル成分 / 変動風速 / 付加物 / 変動揚力 / パンチングメタル / 渦励振 |
Research Abstract |
桁や梁として用いられる柱状物体に,付加物を軸方向に非一様に取り付けることで断面形状を変化させ,流れ場の変動成分の周期や位相を不規則なものとすることで,変動揚力に起因する現象を低減,抑制する手法について引き続き検討を行った. 実際の付加物としては,高欄やフェアリングなどのほかに,透過性のあるパンチングメタルの利用も考えられるが,空力騒音の発生が懸念される.そこで,支持装置などを工夫して空力音の発生状況を再現し測定を行った.一定風速以上(およそ10m/s)において,1kHz前後の比較的高い周波数域に風速に比例して増加するピークが見られた.孔の配置の違いによるピーク周波数の違いはほとんどなく,孔径に依存していると考えられる.また,孔の配置を不規則なものとすることが空力音の低減につながることも確認され,非一様な形状が周期的な流れ場の変動を抑えるという本研究の方向性と一致するものである. 主に矩形断面柱を対象に,壁高欄を非一様に設置することを想定した検討を行ったが,特性は変化するものの変動揚力の低減には十分な効果を発揮しなかった.付加物の設置によって辺長比(桁幅の桁高に対する比)が小さくなって,部分の変動揚力の増加をもたらす場合があり,軸方向の渦の相関が低くなって全体に作用する変動揚力を低減する効果を打ち消すことが考えられた.そこで,流れ方向に開口を設けることによって後流のカルマン渦を乱して変動空気力を抑制する手法について検討した.矩形断面および端部を丸くした断面を対象に風洞実験を行い,変動揚力の減少や空間相関特性の変化,また渦励振応答の低減を確認した.開口は腹板部分に部分的に設けるので,曲げ強度,曲げ剛性の変化は最小限に抑えられており,さらに重量が軽くなることで固有振動数が増加し,渦励振の発現風速が高くなる効果も得られた.
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Research Products
(2 results)