2013 Fiscal Year Research-status Report
月面探査における地盤調査システムの開発と月・惑星地盤工学の創成
Project/Area Number |
24760376
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小林 泰三 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10380578)
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Keywords | 月探査 / レゴリス / 掘削 / せん断試験 / 弾性波探査 / 地盤調査 |
Research Abstract |
本研究では、「月面地盤工学」の創成・構築を目標に掲げ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が準備を進めている次期月探査計画への搭載候補機器として「月面地盤調査装置」の開発を行っている。この地盤調査装置は、月面に小孔径のボアホールを削孔し、その孔壁を利用して1)ボアホールカメラによる深度方向の土質・地質特性観察、2)孔内水平載荷・せん断摩擦試験機による変形・強度特性計測、3)弾性波探査による地質構造調査を行うことのできる小型調査システムである。 当該研究期間(平成25年度)には、前年度に引き続き、主に同システムの要素技術となる孔内水平載荷・せん断摩擦試験プローブの改良を行った。具体的には、前年度までは、機構の問題上、載荷部(せん断部)が二つ割り方式で拡張されるプローブを用いた実験検証を行ってきたのに対して、本年度にはせん断部が全周拡張するプローブを新たに開発した。孔内で軸対称条件に相当する変位場を実現することができるため、データの合理性が向上するとともに、データ解釈方法の幅が広がるという利点がある。一方で、本プローブの設計・製作に時間を要し、期間内にこれを用いた実証実験を行うまでには至らなかった。今後(平成26年度)は、新しいプローブを用いた実験を実施し、二つ割り方式との比較検討を行っていく予定である。また、同ツールに小型起振動器を内蔵し、地上フィールドにてせん断試験から弾性波探査までの一連の試験シーケンスの現場実験を行いたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度には、全周拡張型孔内試験ツールを開発したが、設計と加工に時間を要したため、ツール制御/データ計測をするためのシステム構築が遅れ、同ツールの妥当性を検証できるまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には、全周拡張型孔内試験ツール制御/データ計測のためのシステム構築(ハードウェアとソフトウェア構築)を急ぎ、既に準備の整備されている試験装置で室内模型実験を実施し、試験機の適用性および試験の妥当性の検証を行う。また、同ツールに小型起振動器を内蔵し、地上フィールドにてせん断試験から弾性波探査までの一連の試験シーケンスの現場実験を行いたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度には全周拡張型孔内試験ツール(ハードウェア)を開発したが、設計と加工に時間を要したため、ツール制御/データ計測を行うためのシステム開発が遅れたため、これに使用する予定であった助成金に未使用額が発生した。 平成26年度には、ツール制御/データ計測を行うためのシステム構築(計測・制御機器およびプログラム構築)を行い、未使用額をその経費に充てる。
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Research Products
(5 results)