2013 Fiscal Year Annual Research Report
細粒分を多く含む表層土の液状化挙動に及ぼす深部地層構成の影響
Project/Area Number |
24760377
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中井 健太郎 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60402484)
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Keywords | 液状化 / 東北地方太平洋沖地震 / 浦安市 / 不整形地盤 / 軟弱粘性土 / 基盤傾斜 / 表面波 / 水~土連成有限変形解析 |
Research Abstract |
浦安市内で実施されたボーリング調査および室内試験結果をもとに浦安市地盤の弾塑性モデル化を行い,地震応答解析を通じて,東日本大震災で見られた浦安市の甚大かつ非一様な液状化被害の発生要因を特に深部地層構成(軟弱粘土層厚,不整形境界)に着目して考察した.本研究課題を通じて得られた主たる結論は以下のとおりである. ①液状化層以深に堆積する軟弱粘土層の存在が,地震波をやや長周期の範囲で増幅させ,これに伴って生じる大きな塑性変形によって,液状化しにくい中間土を液状化させた.②表層地盤の液状化発生に及ぼす不整形地盤の影響を数値解析的に検討した結果,傾斜基端部から表面波が生成されることによって傾斜部直上では加速度が局所的に大きくなると同時に,主要動終了後も比較的強い揺れが継続する「後揺れ現象」が発生して,液状化が拡大する.③表面波と下部からの実体波が複雑に干渉する「焦点効果」によって,均質な地盤材料・状態を仮定しても地表面の変状が大きくばらつく.④盆地地形では左右両方向から生成・伝播してきた表面波が谷部直上で衝突することにより,谷部直上での揺れや液状化の危険性がより高くなる. 従来行われている微地形区分による概略法やFL法による液状化判定では,表層土の「土性」だけが問題とされ,継続時間や深部地層構成,不整形境界の影響は直接的には問題とされない.しかしながら,傾斜地形や盆地地形といった不整形な境界は浦安市に特別な地形ではなくどこにでも存在するものであり,沖積平野には液状化層下部に粘性土層が厚く堆積していることも多い.本研究課題で得られた結論は,弾塑性力学に基づく最新の計算地盤力学の必要性を示唆している.
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Research Products
(6 results)