2014 Fiscal Year Annual Research Report
封じ込め技術の信頼性向上に向けた、遮水壁の品質管理手法の開発と汎用性の向上
Project/Area Number |
24760379
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高井 敦史 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (30598347)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 土壌地下水汚染 / 遮水工 / ベントナイト / 自己修復 / 地盤環境工学 / 移流拡散 / 透水係数 / 封じ込め |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,ソイルベントナイト中での濃度勾配による拡散輸送を評価するため,塩化物イオンをトレーサー物質としてカラム試験および土槽試験を行った。その結果,ソイルベントナイトの見かけの拡散係数は1.5~4.0×10-10 m2/sであることや,対策地内外の水位を適切に管理し移流輸送を抑制することが重要であることを示した。 研究期間全体を通じ,(1)ソイルベントナイトのオンサイトでの品質評価手法の確立,(2)損傷に対する自己修復性,(3)地盤内での物質移動における拡散輸送の寄与,を明らかにした。(1)に関しては,地盤調査法として実績も多い電気式静的コーン試験を用いることで,遮水壁内部の不均質箇所を特定でき,透水係数もある程度精度良く評価できることを示した。これまで遮水壁の品質評価は,現地採取した試料を実験室に持ち帰り評価していたが,本研究の成果により,オンサイトで比較的短時間で,空間連続的に品質を評価できる可能性が示唆されたことから,実務的意義は大きい。(2)に関しては,地震や地盤変状等でせん断変形を受けた場合であっても,ソイルベントナイトは高い遮水性能を維持しうることを明らかにした。遮水壁は地下水流を遮断することで,汚染物質の隔離を図るものであることから,たとえ部分的であっても破断あるいは損傷の発生による遮水性能の低下が許容されない。意図的に設けた亀裂や開孔に対してソイルベントナイトは自己修復できることを明らかにしたことから,フォールトトレランス設計としての機能が期待できる。また(3)について,低透水性材料は飽和作業など試料の取り扱い,実験実施そのものが極めて困難であるが,その中で拡散輸送の寄与を明らかにしたことは意義が大きい。遮水壁内での物質輸送を抑制するためには,適切な水位管理が極めて重要であることを改めて示している。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Impact of acid rock drainage on the hydraulic performance and chemical compatibility of geosynthetic clay liners2014
Author(s)
Naka, A., Flores, G., Katsumi, T., Inui, T., Takai, A., and Sakanakura, H.
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Journal Title
Proceedings of the 7th International Congress on Environmental Geotechnics
Volume: なし
Pages: 504-511
Peer Reviewed
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